研究所トップ研究成果情報平成5年度

蚕の4齢期齢中2回給桑育技術


[要約]
4齢期の蚕児・給与桑を園芸用被覆材で包むように被覆し飼育すると、 桑葉の萎凋防止に効果があり、4齢期齢中2回給桑育が可能となった。
岩手県蚕業試験場・養蚕経営部
[連絡先] 0197-25-8711
[部会名] 蚕糸
[専門]  飼育管理
[対象]  蚕
[分類]  指導

[背景・ねらい]
現在、農家における4齢飼育は、1日2〜3回給桑が実施されているが、 この時期の採桑・給桑作業は労働時間が少ないとはいえ毎日の連続作業となるため 労働が制約される。このことが複合経営における計画的な農作業の実施や 多回育の推進・規模拡大のための障害となっている。
そこで、4齢飼育中でも他作物の計画的集中管理、 あるいは小旅行等の余暇活用が出来る「ゆとりある養蚕」の推進に資するため、 桑葉の萎凋防止としての蚕座被覆による齢中2回給桑育について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 4齢期に蚕座を被覆して飼育すると齢中2回給桑育が可能であり、 1日2回給桑育に比べ繭の計量形質も大差ない( 表1表3)。
  2. 蚕座の被覆は園芸用被覆材(商品名:スカイテック、無天露)を使用する。 この被覆材は従来蚕座を被覆するのに用いられていた寒冷紗と比較して 蚕の付着が少なく、扱い易く、桑葉の萎凋防止に効果がある (表2)
  3. 飼育は被覆材で蚕児・給与桑の上下を包む方法で、 4齢最大蚕座面積の2倍の長さ、幅1.8mの大きさの被覆材を蚕座に敷き、 その半分に蚕児を広げ給桑する。給桑量は飼育標準表の10%増とし、 1回目は4齢起蚕時に2日間量を、2回目は残量を4齢3日目に給与する。給桑後、 残った被覆材で蚕児・給与桑を包む。

[成果の活用面・留意点]
  1. 給与桑は収穫した直後の枝条を用いるのがよく、 被覆材による萎凋防止効果を低下させないため、 蚕座には直射日光が当たらないようにする。
  2. 吸湿性被覆材(商品名:無天露)には表裏があるので、 吸湿性のある面を外側にして蚕児・給与桑を包む。
  3. 蚕児の就眠を揃わせるため補給桑を行うのがよい。
  4. 5齢2日目に除沙を行い、被覆材を取り除き、 以後の飼育取扱いは従来どおりとする。

[その他]
研究課題名:育蚕管理技術の改善
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(昭和63〜)
発表論文等:蚕の4齢期齢中1回給桑育の試み、東北蚕糸研究報告 第18号 16-17