研究所トップ研究成果情報平成5年度

改良型蚕飼育装置を用いた5齢期人工飼料育並びに上蔟法


[要約]
市販されている飼育装置を一部改良することにより、 繭糸質に影響を及ぼすことなく 5齢期人工飼料育における蚕糞蚕沙処理が容易になるとともに、 上蔟時の労力削減につなげることが可能となった。
宮城県蚕業試験場・養蚕科
[連絡先] 0223-34-1211
[部会名] 蚕糸
[専門]  飼育管理
[対象]  蚕
[分類]  研究

[背景・ねらい]
5齢人工飼料育では従来の桑育とは異なり、盛食期以降蚕座に蚕糞蚕沙が堆積し、 上蔟後の後片付けが過重となることや、 上蔟時に桑育での条払い法のような能率的な作業ができづらいこと や座中繭も発生しやすくなることが判明したので、 この解決策として飼育技術の確立とともに上蔟作業の省力化をも兼ねて 自然上蔟が可能になるよう市販飼育装置の一部改良を試みた。

[成果の内容・特徴]
  1. 5号金属製蚕箔(103x180cm)の外周パイプに溶接されている 底面の骨組みの曲をつけずに平坦にした。 (底面フラットタイプ5号サンピー蚕箔)
  2. N社製SA型蚕座の幅を150cmから回転蔟の幅よりも若干広い120cmまで狭め、 ツブシパイプ取り付けピンを汎用性をもたせるため5本とした。 この蚕座幅にあうよう、給桑台車の幅を狭めた。
  3. 農業用ビニールをスタンド間で左右2枚の高さが異なるようツブシパイプに 25mm加賀パッカーを用いて装着し、蚕糞蚕沙はその隙間から床面に設置した 収集容器上に落下させる。
  4. 5齢3日目除沙時に、EVA製ネット(#5mm)を敷いた上記蚕箔に移座し、 SA型改良蚕座上で上面のみ防乾紙で覆い1日1回給餌とし、 随時除沙を行いながら飼育する。 上蔟時はボール蔟が蚕座面に設置するよう蚕箔1枚につき蔟器4個を蚕座上に載せ、 蔟器に挟まれた蚕児は作業終了後手直しを行う。
    図1 N社製SA型改良蚕座正面図
    図2 同蚕座側面図

[成果の活用面・留意点]
5齢用低コスト飼料の開発
収繭時には繭に付着した飼料片を丁寧に取り除く必要がある。

[その他]
研究課題名:低コスト人工飼料による5齢期人工飼料育技術
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(平成4年〜8年)
発表論文等:普通蚕室における4〜5齢人工飼料育技術(4)5齢飼育蚕座の改良、
              東北蚕糸研究報告、第18号、1993