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交配用天蚕の羽化調整


[要約]
交配用天蚕の蛹期間を短縮するとともに羽化の斉一化をはかるためには、 飼育集団の営繭最盛期に吐糸開始1週間以内の繭を収集し、 その後羽化までの期間を室温で8L-16D〜12L-12Dの日長条件下に保護する。
岩手県蚕業試験場・養蚕経営部
[連絡先] 0197-25-8711
[部会名] 蚕糸
[専門]  飼育管理
[対象]  天蚕
[分類]  指導

[背景・ねらい]
天蚕は蛹で夏眠するため、蛹期間が長く、その個体差も大きい。 このため同一飼育集団でも羽化の期間が長期にわたり、 交配・採卵作業に長期間を要することになっており、 蛹期間の短縮や羽化の斉一化による交配・採卵作業期間の短縮が望まれている。

[成果の内容・特徴]
  1. 野外で飼育した交配用天蚕を吐糸開始後1週間以内に収集し、 室温自然日長条件下および室温、25度C、20度Cの温度条件下でそれぞれ8L−16D、 12L一12Dの日長条件下に保護したところ、室温自然日長保護では処理開始後 24〜78日の期間に断続的に羽化し、処理開始後羽化までの平均日数は58日 (標準偏差16.57日)であった。
  2. 日長条件を8L-16Dや12L一12Dにした場合は、羽化期間が17〜30日、 羽化までの平均日数が28〜36日(標準偏差3.85〜7.21日)で、 室温自然日長保護に比べ蛹期間、羽化期間とも大幅に短縮される。
  3. 20度C、12L−12D保護は羽化期間が17日間で、 他の保護条件より羽化の斉一化程度が高かった。
    図1 天蚕繭を異なる温度、 日長条件で処理した場合の羽化状況

[成果の活用面・留意点]
吐糸開始後1週間以内の天蚕の多くは蛹化前なので、 収繭前には強い衝撃を与えないように丁寧に取扱い除葉、 毛羽とりは蛹化してから行う。

[その他]
研究課題名:天蚕の優良系統育成 (1)優良形質の収集、選抜、保存
予算区分 :県単
研究期間 :平成5年度(平成元年〜)
発表論文等:なし