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傾斜地における大区画整備圃場の水稲生育状況と施肥管理


[要約]
傾斜地における大区画圃場整備では栽培初年目の7月以降に 水稲生育ムラがみられ、成熟期には生育量と登熟に大きな差が生じる。 これは下層土の理化学性のムラが原因である。 整備初年目は地力窒素の発現が多く、施肥対応としては基肥減肥が有効である。 栽培2年目では生育ムラが減少し、標準施肥で対応可能である。
岩手県立農業試験場・環境部・施肥改善料
[連絡先] 0196-88-4139
[部会名] 水田農業・生産環境
[専門]  肥料
[対象]  稲類
[分類]  研究

[背景・ねらい]
近年各種圃場整備事業により、50a〜1haの大区画圃場の造成が進められている。 大区画圃場整備ではその立地条件によって多量の土壌移動を伴ったり、 来歴の異なる多くの旧圃場が1筆の圃場として管理される。このため、 圃場内での土壌条件の差が水稲の生育ムラにつながり易い。
そこで、圃場内に生じた土壌条件の差と水稲生育の関係、 そこでの施肥の影響等の実態を調査した。

[成果の内容・特徴]
  1. 石鳥谷町新堀地区内、傾斜区分1/250程度の下層黒泥地帯の大区画水田では 造成後初作目、旧圃場区画に沿った生育ムラが認められる。 生育ムラは7月中旬以降明瞭となり、成熟期に大きな差が生じる。
  2. 生育量が大きかった部分は、下層の砂層が薄く、 作土下(II層)が膨軟で養分が多く、生育が小さい部分はこの反対の傾向にある。
  3. 整備初年目は地力窒素の発現が多いため、 基肥量は基準量の半量で生育量が確保でき、生育旺盛部分でも倒伏を回避できる。 整備2年目は生育ムラは少なくなる傾向にあり、標準施肥量で対応可能である。
  4. 平成5年は大冷害となったが、整備後年数に対応した施肥、 いもち病の適期防除、高い畦畔を利用した深水管理により、 周辺の既存水田以上の収量が得られた。
    図1 大区画圃場の新旧区画と栽培初年目登熟期の生育 状況
    表1 栽培初年目の生育ムラの例
    表2 生育に影響した土壌の理化学性
    表3 大区画整備圃場の施肥法

[成果の活用面・留意点]
他の地形、土壌タイプでの検討が必要である

[その他]
研究課題名:大区画圃場における土壌管理技術
予算区分 :国・県
研究期間 :平成4年〜5年
発表論文等:なし