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田畑交互利用による適切な交互年数と土壌管理


[要約]
田畑輪換における水田と畑の交互利用で一年交互は土壌の物理性の面で劣り、 三年以上の畑地利用は地力の消耗が大きいことから二年交互利用が望ましく、 地力維持のために改良資材+作物残渣利用による有機物施用が不可欠である。
秋田県農業試験場・環境部・施肥改善担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 水田農業・生産環境
[専門]  土壌
[対象]  雑穀、豆類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
秋田県内にはグライ土壌が広く分布するが、 ここでの田畑交互利用を行う場合の適正な交互利用年数を土壌の物理性と 作物生産性の面から明かにしようとした。 また、畑期間中に消耗する地力についてその維持方法を検討した。

[成果の内容・特徴]
田畑交互利用年数の違いにより以下のような特徴がある。( 図1図2表1)
  1. 一年交互利用:
    水稲は過剰生育となり、畑作物は湿害の危険がある。また、 畑利用での砕土率は水田に近く、腐植の消耗程度も大きい。
  2. 二年交互利用:
    水稲の生育は安定し、畑作物の収量も高い。 畑利用での砕土率は連作畑と同じになり、土壊の物理性も良好である。しかし、 地力の消耗が大きく、 改良資材と残渣有機物の施用による肥沃度の維持が不可欠である。
  3. 畑連続利用:
    砕土率が高く、可給態燐酸が増加するが、地力の消耗は大きい。
  4. 以上のことから適切な交互年数は二年が望ましく、 地力維持のため改良資材+作物残渣を含めた有機物施用を行うべきである。

[成果の活用面・留意点]
交互利用一年目の水稲は過剰生育になるため減肥対応を行う。 畑利用一年目の作物は砕土率が低く、作業精度が劣るが、 排水に留意することにより大豆などはむしろ多収となる。 交互利用二年目の水稲は連作水稲に勝り、収量的にも高くなる。
畑利用での地力の消耗は大きいので有機物の補給は不可欠である。 畑利用三年以上では地力の消耗に加え、 連作障害も懸念されるので水田に戻すことで回避する。 その際の施肥は前述のことに留意する。 以上のことから導入作物は交互期間内に残渣量の多い麦やとうもろこしを一作し、 二作目は大豆で対応する。

[その他]
研究課題名:麦・大豆作を中心とした水田輪作体系化技術の確立
            田畑輪換圃場における地力変動の解明と改良対策の確立
予算区分 :地域水田農業
研究期間 :平成5年度(平成3〜5年)
発表論文等:田畑輪換における土壌への変化方向、東北農業研究46号、1993