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「アブクマワセ」の登熟期の葉色と子実の粗タンパク含量


[要約]
「アブクマワセ」の子実の粗タンパク含量は、 出穂後35日の止葉葉色のSPAD値が35〜45の場合に、適正値の10〜11%となる。 この薬色を維持するには、窒素0.2kg/aの追肥が有効である。
福島県農業試験場・種芸部・畑作研究室
[連絡先] 0249-32-3020
[部会名] 水田農業、畑作物(冬作物)
[専門]  栽培
[対象]  麦類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
「アブクマワセ」は子実の粗タンパク含量が 低いと製粉性が劣ってくるといわれており、実需者からやや高めの粗タンパク含量 10〜11%を要望されている。しかし、小麦の粗タンパク含量は、 年次や地域によって適正範囲を越えて変動する。
そこで、生育診断技術の一部として「アブクマワセ」の登熟期の葉色と 組タンパク含量の関係を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 出穂期の止葉葉色のSPAD値は穎花分化期の追肥量に関わらず 35〜40の範囲にある。これに出穂期追肥を行わないと、 子実の粗タンパク含量10%以下になる場合が多い。逆に、 出穂期に追肥を行うと、 追肥量0.2kg/aで子実の粗タンパク含量は約1%づつ増加する。 (図1)
  2. 出穂後35日の止葉葉色のSPAD値が35〜40の場合、 子実の粗タンパク含量は適正値である10〜11%になる。 (図2)
  3. 出穂後35日の止葉葉色のSPAD値を35〜40に維持するには、 出穂期の0.2kg/aの追肥が有効である。 追肥量を0.4kg/aとすると止葉葉色のSPAD値が高くなり、 粗タンパク含量が適正値以上となる。( 図2表1)

[成果の活用面・留意点]
  1. 適正粗タンパク含量を得るための出穂後35日の止葉葉色の目標値とできる。
  2. 本試験は灰色低地土の転換畑で得られた成績である。 他の土壌条件に応用する場合は、さらに試験の積み重ねを要する。

[その他]
研究課題名:早生小麦の高品位・多収栽培技術の確立
             (東北南部の大区画水田等における水田輪作体系化技術の確立)
予算区分 :平成4年〜5年
研究期間 :国庫助成
発表論文等:なし