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アリウム・ギガンテウムの標高別採花期


[要約]
アリウム・ギガンテウムは標高400〜900mまでの標高差を利用して栽培することにより、 6月下旬から7月下旬まで、40日前後の長期出荷が可能となる。また、融雪期から 採花始めまでの積算温度はほぼ一定なので、地域別の採花時期が推定できる。
岩手県園芸試験場・高冷地開発センター
[連絡先] 0193-35-2115
[部会名] 野菜・花き
[専門]  栽培
[対象]  花き類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
アリウム・ギガンテウムは同じ気象条件下では開花期の集中により出荷時期が 重なり、市場単価を低下させ、必ずしも有利販売に結びつかない。そこで、採花期の 延長を目的に、アリウム・ギガンテウムの標高別採花時期を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 標高400m地帯の採花期は、6月下旬〜7月上旬、600m地帯では7月上旬〜中旬、900m 地帯では7月中旬〜下旬となり、標高400mから900mまでの標高差を利用して栽培する ことにより、6月下旬から7月下旬まで40日前後の出荷期間が確保される (表1)。
  2. 黒マルチ栽培での融雪期から採花始めまでの積算温度(日平均気温の積算)は 860〜900時間の範囲内となるため、地域別の採花時期が推定できる (表2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 標高900mにおける平成6年の栽培で未抽台となったのは、前年の冷夏により球根が 高温に遭遇するのが不十分で、そのため、順調に花芽分化できなかったためと 思われる。
    従って、次年度栽培用の球根は、着実に花芽分化させるため、日除けした雨よけ ハウス内に貯蔵し、高温遭遇(20度C以上)させる。
  2. マルチ栽培により採花期が2〜3日程度前進する。

[その他]
研究課題名:標高差利用によるアリウム・ギガンテウムの出荷時期の延長法
予算区分 :県単
研究期間 :平成6年度(平成4〜6年)
発表論文等: