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水稲不耕起及び無代かき移植栽培における移植前の雑草に対する有効な茎葉処理除草剤


[要約]
水稲の不耕起及び無代かき移植栽培における移植前の雑草に対する有効な茎葉処理除草剤の使用方法を確立する。
秋田県農業試験場・稲作部・水稲栽培担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 水稲
[専門]  雑草
[対象]  稲類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
耕起や代かきを省略した省力移植栽培の普及に伴い、移植前の雑草をどのように防除するかが問題となっている。それらに対する茎葉処理除草剤の使用時期、使用方法、水稲に対する薬害、生育・収量への影響を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. ハービー液剤、タッチダウン液剤では、除草効果の発現が遅く、散布後4日程度で黄化し始めた。除草効果は湛水前15、5日処理では極大であったが、湛水前30日処理では雑草が再生した。
  2. プリグロックスL液剤は、除草効果の発現が速く、散布後2日程度で黄化し始めた。除草効果は湛水前5日処理では極大であったが、湛水前30、15日処理では雑草が再生した。
  3. ラウンドアップ液剤は湛水前15、10日処理では極大の除草効果であったが、湛水前5日処理では殺草までの日数が短く、残草した。また、湛水前30日処理では雑草が再生した。
  4. 以上の点から、処理時期においてハービー液剤、タッチダウン液剤は湛水前15〜7日、プリグロックス液剤は湛水前7〜5日、ラウンドアップ液剤は湛水前20〜10日が適当である。
  5. 処理量においてはハービー液剤はアール当たり50ml(水量10 l)、タッチダウン液剤は40ml(水量10 l)、プリグロックスL液剤は80ml(水量10 l)、ラウンドアップ液剤は50ml(水量2.5 l)が適当である。
  6. いずれの除草剤においても水稲に対する薬害、生育・収量への影響は見られない。
    (具体的データ)

[成果の活用面・留意点]
  1. 平成8年度秋田県雑草防除基準に不耕起及び無代かき移植栽培における移植前の茎葉処理除草剤を採用する。
  2. 水稲不耕起及び無代かき移植栽培における移植前の雑草に対して適期、適量の散布に努める。
  3. 散布直後に降雨が予想される場合には除草効果が劣る場合があるので使用を避ける。
  4. 移植後の水田雑草に対しては普通移植栽培と同じ除草体系をとる。

[その他]
研究課題名:超低コスト稲作技術の確立
       1.省力移植栽培の除草体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成5〜7年
発表論文等:東北農業研究  46,65-66,1993