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土壌グループ別水稲食味値向上マニュアル


[要約]
水稲の食味値と人為的に変更可能な栽培管理項目の関係を統計解析し、食味値に及ぼす効果を点数で算出したマニュアルである。本マニュアルの使用により土壌グループ別に食味値を向上させる栽培管理が可能となる。
秋田県農業試験場・環境部・施肥改善担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 生産環境
[専門]  土壌
[対象]  稲類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
米の過剰感、良食味品種への偏重の中で商品としての米が「より売れる」ための方策が求められている。そこで、栽培方法と食味値の関係を解析し、食味値向上のための栽培マニュアルを土壌グループ別に策定した。

[成果の内容・特徴]
  1. マニュアルでは、「あきたこまち」、「ササニシキ」玄米2200点について土壌グループ(黒ボク土、灰色低地土、グライ土、強グライ土、泥炭・黒泥土)別に数量化I類による統計解析をもとに、各栽培管理項目の食味値に及ぼす影響を食味値変動幅(食味値平均値からの変動の大きさ)として表示した。
  2. 栽培管理項目は食味値に及ぼす影響の大きい順に並べ、土壌グループ別に示したが、影響の大きさと順位は土壌グループ別で異なっている。
  3. マニュアルを現場で活用しやすくするために土壌グループを最初に判定できるようにした。
    (図1.マニュアル作成のフローチャート)
    (表1.土壌グループ別食味値アップチェックリストの一部)

[成果の活用面・留意点]
  1. 活用対象者としては地区JA営農指導員を想定しており、食味値が低い農家への対策・指導用の指針として活用できる。
  2. 土壌グループ別に解析したことから指導する場合は対象圃場の土壌グループを判定することが必要となる。そのためマニュアル中に判別法の項を設けた。
  3. マニュアルはチェックリストスタイルになっており、食味値に及ぼす影響の大きい順にチェックしてゆくことにより対象圃場の水稲食味値向上の処方箋ができあがる。

[その他]
研究課題名:水稲の食味品質向上試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成6年度(平成3〜7年)
発表論文等:秋田ブランド米食味向上栽培マニュアル(冊子),秋田県農政部(1996)