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早熟・大粒在来青大豆品種「秋試緑1号」の特性と栽培法
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[要約]
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青大豆の「秋試緑1号」は中生種に属し、これまで広く栽培されていた在来種の「青目大豆」に比べ、成熟期は24日ほど早く、短茎で、蔓化・倒伏は少ない。収量性は高く、外観品質もよく、豆腐用品種として有望で秋田県内に広く栽培できる。
秋田県農業試験場・園芸畑作部・畑作担当
[連絡先] 0188-39-2121
[部会名] 畑作物
[専門] 育種
[対象] 豆類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
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秋田県で栽培されている青大豆の在来種「青目大豆」は極晩生種で、蔓化・倒伏も多く収穫作業が困難であった。このため、収穫時期の遅れにともなう収量・品質の年次変動も大きいことから、早生品種の育成が強く求められていた。
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[成果の内容・特徴]
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「秋試緑1号」は鹿角地方に栽培されていた「雪の下」の純系分離品種である。
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中生種に属し、「青目大豆」に比べ成熟期は24日早く(表1)、県内に広く栽培できる(図1)。
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主茎長は短く、分枝数は少なく、耐倒伏性は強い(表1)。
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収量性は「青目大豆」に比べて17%多収である(表1)。
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種皮色及び子葉色は緑で、粒形は偏楕円体である(表1)。
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晩播限界は6月上旬である(表2)。
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最適栽植密度は14本/uである(図2)。
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[成果の活用面・留意点]
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適応地帯は秋田県内全域である。
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ダイズモザイクウイルス病に対する抵抗性はないので、アブラムシ防除を徹底する。また、種子更新を行う。
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6月中旬以降の播種期では20本/u程度の密播が必要である。
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早播きは裂皮粒発生のおそれがあるので避ける。
[その他]
研究課題名:特需要大豆の優良系統の選定と高品質安定生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成2〜7年)