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べたがけ被覆によるダイコンの作期前進と作柄安定
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[要約]
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ダイコン品種「いわて青首」では、べたがけ被覆によって無被覆栽培より播種後20日間の日平均気温が約2℃低い気温の時期まで作期前進できる。
岩手県園芸試験場・高冷地開発センター
[連絡先] 0195-35-2115
[部会名] 野菜・花き
[専門] 栽培
[対象] 根菜類
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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大根の春まき作型では、低温による抽だいの発生回避が作柄を安定させる上で大きな課題である。抽だい回避のための温度指標は、無マルチ無被覆栽培ですでに得られており、作期の設定に利用されているが、被覆栽培での温度指標については不明であった。
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[成果の内容・特徴]
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「いわて青首」のべたがけ被覆(播種後20日間)栽培では、播種後20日間の日平均気温が下表の温度となる時期以降が、安全播種期(抽だい率がおおむね10%以下になる時期)となり、無被覆栽培より約2℃低い温度条件から作付可能となる。また、同じ播種期ではべたがけ被覆によって年次変動による抽だい発生の危険率を低下させることができる。
(具体的データ)
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[成果の活用面・留意点]
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播種期の設定をする場合は、年次変動による危険率を考慮して行う。
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べたがけ被覆期間は播種後20日間とする。被覆期間が長くなると間引きの恐れや地上部の過繁茂を招く。
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べたがけ用の被覆資材は長繊維不織布(パスライト)とする。
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「いわて青首」以外の品種では、現地での確認が必要である。
[その他]
研究課題名:気象被害等生育阻害軽減対策技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成4〜7年)