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さといも培養苗の特性


[要約]
さといも培養苗は、種いも苗に比べ地上部の生育は矮小で収穫前の茎数の減少が早い。一方、いもの収量性は高く、9月上旬に早堀りした場合でも高い収量が得られる。また、収穫したいもはA級(丸形)いもの割合が高くなる傾向がある。
山形県立園芸試験場・先進技術開発研究室
[連絡先] 0237-84-4125
[部会名] 生物工学
[専門]  バイテク
[対象]  根菜類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
県内さといも栽培では、安定した優良種苗の確保とともに、「いも煮会」に向けて9月上旬に早期収穫できる苗が望まれている。そこで、慣行の種いも苗を対照とし、茎頂培養利用により大量作出したさといも培養苗の特性について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 培養苗の地上部は、全生育期間を通して、草丈、葉身長が小さく、矮小な生育である。また、茎数も少なく、枯れ込みによる茎数の減少は種いも苗より1ケ月早い。
  2. 培養苗の収量は、10月2日で最大の3.5t(10a当たり)の収量である。
  3. 早堀りした場合の収量性は高く、9月4日で種いも苗の1.8倍収量である。
  4. 培養苗から収穫したいもは、商品性の高いA級(丸形)いもの割合が高くなる傾向がある。
    (具体的データ)

[成果の活用面・留意点]
  1. 培養苗は計画的に増殖し、30日間ハウスで養成した後、定植する。
  2. 品種は「土垂」である。

[その他]
研究課題名:さといも増殖技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成3年〜7年)