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ナガイモの新いも切除によるむかご増殖法
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[要約]
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8月下旬に、生育中のナガイモの新いもを切除して、地下部への養分転流を阻止することにより、むかごの着生は個数、重量とも増加する。切除後に再生したいもも翌年の種いもとして利用可能である。
青森県畑作園芸試験場・作物改良部
[連絡先] 0176-53-7171
[部会名] 野菜・花き
[専門] 栽培
[対象] 根菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
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ナガイモの種いもは、切いもよりもむかごから養成した子いもが望ましいが、むかごの着生量は気象による変動が大きく、低温年には極めて少ない。土壌病害等により地下部への養分転流が妨げられた場合に、むかごの着生量が増加することが知られているので、新いもを人為的に切除することにより、むかごを増殖する方法を検討した。
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[成果の内容・特徴]
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新いも重が200〜500gになる8月下旬に、株元を片側から20cm位掘り下げ、新いもの首部を切除する。掘り下げた空隙は埋め戻さず、切り込みを入れた板でふたをする。切除した新いもは埋めたままにし、秋の収穫時に掘り出す(図1)。
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10月中下旬、むかごが十分充実してから採取する。新いもの切除を行うことにより、個数、重量とも増加する(表1、2)。
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新いもの切除後、空隙を取り囲むように複数のいもが再び生じる(図2、表3)。切除いもを翌年種いもに用いた場合は、通常の種いもに比べて生育が劣るが、再生いもでは遜色なく生育する(表4)。
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[成果の活用面・留意点]
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ウイルスフリー株や優良系統の増殖過程で、いもよりむかごを大量に得たい場合には有効な方法である。地下部の空隙は、再生いもの生育を妨げる効果があるので、大きめに作る。
[その他]
研究課題名:むかごの大量増殖法
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成5〜7年)