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リーキの省力・機械化栽培体系
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[要約]
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リーキ栽培の諸作業のうち、これまでに開発された機械が、移植、栽培管理(培土)、収穫(掘上げ)、調整(皮むき)作業については利用可能である。これらの機械利用により労働時間は慣行栽培の64%に削減できる。
宮城県園芸試験場・栽培部・野菜科
[連絡先] 022-383-8132
[部会名] 野菜・花き
[専門] 作業・機械
[対象] 茎葉菜類
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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リーキは高温には弱いが低温には強く、寒冷地の気象に適した栽培品目で、露地栽培で新規に導入する野菜としては有望である。しかし、栽培現場では労力不足等の問題で土地利用型野菜であるリーキは栽培が困難な状況にある。そこで、新規導入を容易にするためリーキの省力・機械化栽培技術の確立を目的に、セル成型苗育苗技術及び移植、培土、掘上げ、皮むきの各作業の機械化について検討した。
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[成果の内容・特徴]
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機械移植に適したセル成型苗は288、200、128穴の各サイズのいずれでも良く、各セルとも2本仕立てとし、70日程度育苗する。育苗用土は粉状か粒粉状のもので、窒素量180〜300mg/lが適する(表1)。
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移植は半自動移植機により手植えの1/5に労力が削減できる(表2)。
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培土は管理機(はねあげ式)により、手作業の1/3に労力が削減される(表2)。培土は生育初期の7月下旬、中期の9月下旬の2回行なう。
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掘上げは管理機にすき刃を取り付け、株元直下に刃を入れ、反転掘上げすることにより、手掘りの1/9に労力が削減できる(表2)。
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調製は真空皮むき機により手作業の1/2ですみ、慣行水洗いより鮮度低下が少ない(表2)。
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機械化栽培体系では、農業所得は機械経費の増加のため慣行よりは減少するが、1時間当り労働報酬は17%増える(表3)。
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機械化栽培体系により、リーキ栽培の労働時間は慣行の64%に削減できる(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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播種は2月下旬〜3月上旬に行い、無加温パイプハウスを利用し、夜間0℃以下にならないように管理する。
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機械移植のため、圃場の耕期、砕土は十分に行なう。
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栽植密度は7,400株〜8,800株/10aを目安に使用移植機に応じて株間を設定する。うね幅は管理機による培土がしやすい90〜110cm程度とする。
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培土時期は遅いと葉の損傷がひどく、収量が低下するので、遅れないように行なう。培土の高さは1回当り10〜15cm(2回で20cm以上)を目標とする。
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真空皮むき機の処理時の空気圧は、ネギよりやや高めの6気圧程度とする。
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施肥量は慣行に準ずる。
[その他]
研究課題名:寒冷地気象を活用したニューソフト野菜の省力・機械化栽培による作付
体系の確立
予算区分 :地域重要新技術
研究期間 :平成7年度(平成5〜7年)