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夏秋トマトの主枝更新3本仕立栽培の栽植様式


[要約]
収穫搬出作業の機械化、装置化を想定し、通路部を125cmに広げ、栽植本数を98本/aと従来の3分の2程度に減じたところ、トマトの節間及び花房間距離が短く、各花房位置が低く、各基本枝の茎径は太く、1株当たりの収穫個数が多く平均1果重が増加し、A品率が高まり、品質が向上した。
青森県畑作園芸試験場・栽培部
[連絡先] 0176-53-7171
[部会名] 野菜・花き
[専門]  栽培
[対象]  果菜類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
トマト栽培において、育苗の省力・軽作業化、仕立法の改善による省力・軽作業化、かん水・追肥の自動化、マルハナバチ利用による着果処理の省力化等を図ってきたが、収穫・搬出作業は機械化、装置化が進まず、栽培体系全体の省力化のネックになっていた。そこで、通路部を広げて、収穫・搬出作業の省力・軽作業化のための機械及び装置導入を想定した栽植様式においてトマトの生育、収量、品質等に及ぼす影響を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 98本/aの疎植では、節間及び花房間距離が短く、各花房位置が低く、各基本枝の茎径は太くなり、草姿が良好となる(表1)
  2. 98本/aの疎植では、1株当たりの収穫個数が多くなり、平均1果重が増加する。また、a当たり収量も密植に劣らない(表2、3)
  3. 98本/aの疎植では、A品率が高く、空洞果、奇形・変形果、過小果が減少するなど、品質が向上する(表3、4)

[成果の活用面・留意点]
間口540cmのハウスでは、内寄りの通路幅を125cmとし、中央部に2条植えを1うね、外寄りに1条植えを1うねづつ両側に配置し、合計4条植えとする。

[その他]
研究課題名:特産野菜の省力周年生産体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成4〜12年)