直接定植に適したキュウリセル成型苗の大きさについて

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直接定植に適したキュウリセル成型苗の大きさについて


[要約]
半促成キュウリのセル成型苗(51穴)の定植時期は、本葉2枚までの若苗定植するのが望ましい。
福島県農業試験場・野菜部
[連絡先] 0249-32-7786
[部会名] 野菜・花き
[専門]  栽培
[対象]  果菜類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
セル成型苗は、限られたスペースで効率よく育苗でき、輸送性にも優れているので、大型育苗施設での共同育苗などに広く利用されている。この試験では、3月播種のキュウリにおけるセル成型苗(接木苗)の直接定植の適期について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 定植後の生育は、本葉3枚定植で他区と比べて緩慢な傾向を示し、主枝摘心時の草丈も低く、主枝節数、側枝数は少なかった。本葉1枚定植、本葉2枚定植の生育は、慣行の育苗を行った区と差がなかった(表2)
  2. 収穫収量時の調査では、本葉1枚定植および本葉2枚定植の側枝本数は慣行区と差がなかった。本葉3枚定植では、二次側枝と三次側枝の本数が少なかったために、総側枝本数が少なかった(表3)
  3. 本葉1枚定植と本葉2枚定植の時期別収量は、他の区に比べて明らかに少なかった。総収量は、試験区間に大きな差は認められなかったが、葉齢が進むにつれて減少する傾向にあった(図1)。なお、収穫物の等階級比率は各区とも違いはなかった。

[成果の活用面・留意点]
葉齢が進むほど苗は老化し、定植後の生育、特に初期収量に影響するので、定植適期を逃さないようにする。

[その他]
研究課題名:キュウリの安定多収栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成7年度(平成6〜8年度)