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ばれいしょ「キタアカリ」の栽培特性


[要約]
ばれいしょ「キタアカリ」は早生で、「男爵薯」に比べ多収性で、澱粉価が高い。 塊茎は「男爵薯」より大きく、肉色は淡黄である。 施肥条件では、多肥(1.5倍肥)より標肥で上いも収量が優る。 早期肥大性を有し、ポリマルチ被覆により収穫時期を早めることが可能である。
青森県畑作園芸試験場・作物改良部
[連絡先]0176-53-7171
[部会名]畑作物
[専門] 栽培
[対象] いも類
[分類] 指導

[背景・ねらい]
青森県では、 ばれいしょ「キタアカリ」が下北郡で特産野菜として栽培されているほか、 他地域でも導入の動きがある。そこで、本品種の生育、収量、特性について調査し、 あわせて北海道産の出回り前の端境期に、 有利な市場出荷をねらったマルチ栽培について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 主要な特性(表1)
    1. 初期生育は良く、茎葉枯凋期は「男爵薯」より数日遅い早生に属する。
    2. 茎長は「男爵薯」より長いが倒伏は比較的少ない。
    3. 塊茎は扁球形で、平均上いも1個重は108g程度で「男爵薯」より大きい。皮色は淡黄で、 目はやや浅く、赤い。肉色は淡黄である。
    4. 上いも収量は「男爵薯」より優り、澱粉価も高い。
  2. 栽培管理
    1. 多肥(1.5倍肥)による増収効果及び澱粉価の向上は認められない。 (表2)
    2. ポリマルチ被覆により生育が促進され、 7月下旬で十分な塊茎の肥大と澱粉価の向上がみられ、 収穫時期の前進効果が認められる。 (表3, 表4)

[成果の活用面・留意点]
  1. 県内の「キタアカリ」産地の指導に活用できる。
  2. ポリマルチ被覆により早期収穫が可能となる。
  3. 施肥量は標肥(N:P2O5:K2O=0.8:1.2:1.1kg/a) とする。

[その他]
研究課題名:ばれいしょ奨励品種決定調査
予算区分 :県単
研究期間 :平成8年度(平成2年〜平成8年)
発表論文等:なし