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肥効調節型肥料を利用したネギの施肥技術
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[要約]
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セル育苗したネギでは、定植時に肥効調節型肥料を全量基肥として栽培した場合、
慣行の追肥体系と比較して、夏ネギ・冬ネギとも同程度の収量が得られ、
夏ネギでは級率が高まる傾向がみられる。
福島県農業試験場・いわき支場
[連絡先] 0246-34-2348
[部会名] 野菜・花き
[専門] 栽培
[対象] 葉茎菜類
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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近年、ネギ栽培においてもセル成型苗による機械定植が普及しているが、
従来の苗に比べて小さな苗を定植する。
このため耐肥性が弱く、在圃期間も長くなることから、
施肥による生育や収量への影響が問題になってくると考えられる。
そこで、セル育苗したネギに、
肥効調節型肥料を全量基肥として施用した場合の収量に及ぼす影響について検討する。
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[成果の内容・特徴]
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夏ネギにおいては、肥効調節型肥料(100日タイプ)を、定植時に窒素成分量で1.5kg/a
全量施用することにより、慣行の追肥体系と同程度の収量が得られる。
規格内収量では、肥料の種類による差は見られないが、
肥効調節型肥料を定植時に全量施用すると、
L級の割合が向上する(表1)。
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冬ネギにおいては、肥効調節型肥料(140日タイプ)を、定植時に窒素成分量で1.5kg/a
全量施用することにより、慣行の追肥体系と同程度の収量が得られる。
規格内収量では、肥料の種類による差は見られないが、
肥料の量による差がみられ、6.0kg/a施用区では減収する傾向が認められる
(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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慣行の追肥体系と同程度の収量(250〜300kg/a程度)を得るには、
施肥量1.5kg/a程度で良いが、
さらに多収を目指す場合の施肥レベル・肥料の溶出・環境への影響などについては
別途検討する必要がある。
[その他]
研究課題名:葉茎菜類の省力周年生産技術体系確立、ネギの施肥体系に関する試験
予算区分 :県単
研究期間 :平成6年度〜平成7年度
発表論文等: