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「かけはし」の腹白粒発生軽減対策


[要約]
水稲品種[かけはし」では腹白粒の発生が、品質低下の一要因となっている。 腹白粒の発生はm2当たり籾数32千粒の確保・適期収穫・ 落水時期の適正化により軽減することが可能である。
岩手県農業研究センター・県北農業研究所・やませ利用研究室
[連絡先] 0195-47-1074
[部会名] 水稲・やませ環境
[専門]  栽培
[対象]  稲類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
水稲品種「かけはし」では、地域的に「腹白」を格付け理由とする検査等級の低下 (落等)がみられることから、腹白粒の発生軽減対策について検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. 粒厚2.2mm以上の比率が高い圃壊では、 千粒量が重くなり腹白粒(軽微な発生のものを含む)発生が多くなる (図1、図2)。
  2. m2当たり籾数32千粒以上を確保することにより、 腹白粒の発生を低下させることが可能である。 また、m2当たり籾数32千粒以上を安定的に確保するため、 栽植密度は22.2株/m2以上とする (図1〜4)
  3. 腹白粒は出穂後積鼻平均気温が900度C頃から発生がみられ、 刈取りが遅れるほど増加することから、収穫は出穂後積算平均気温が 950〜1050度Cの範囲で行う(図5)
  4. 出穂後30日より前の落水では、腹白粒の発生が多発する可能性が高いので、 出穂後、30日より前の落水は行わない (図6)

[成果の活用面・留意点]
  1. m2籾数が多いと青未熟粒の増加により落等することから、 m2籾数の上限は34千粒のとする。また、 施肥量は地帯別施肥基準を遵守する。
  2. 腹白粒の発生には登熟期間の気象要因及び乾燥方法も大きく関係していると 考えられる。これらについては今後検討を進める必要がある。

[その他]
研究課題名:「かけはし」の栽培法
予算区分 :県単
研究期間 :平成10年度(平成6年〜10年)
発表論文等: