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タラノキの効率的な育苗体系


[要約]
タラノキの増殖率を上げるため、 種根を5cmに調整し調整後直ちに切り口部分に保護剤を塗布する。 種根を芽出しした後、10.5cm再生紙ポットに鉢上げして育苗すると、 植え付け後の生育揃いが良く欠株も生じない。芽出し温度は20度Cで管理する。
山形県農業研究研修センター・中山間地農業研究部
[連絡先] 0233-22-2201
[部会名] 野菜・花き
[専門]  栽培
[対象]  野草類
[分類]  普及

[背景・ねらい]
タラノキの増殖は、慣行では15cm前後の種根を芽出しし、 直接畑に植え付ける挿し根法で行われているが、活着が不安定で欠株が生じやすい。 このため、初期生育を安定させ、 生育の揃いを向上させる効率の良い育苗体系を確立する。

[成果の内容・特徴]
  1. 種根は長さは5cmに調整する。5cmの種根は慣行より出芽率がやや低く、 育苗終了時の生育も劣るが、増殖率が高い(表1)。
  2. 種根の切り口部分に保護剤を塗布すると腐敗の発生が少ない (表2)。
  3. 芽出しの温度は、20℃で管理すると最も出芽率が高い (表3)。
  4. 根鉢の形成が遅いタラノキでは、再生紙ポットを用いると、活着率及び作業性が高い (データ略)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 増殖に用いる種根は1年養成株より採取する。
  2. 芽出し中の培養土は適湿を保つ。
  3. 植え付け後乾燥に留意する。

[その他]
研究課題名:希少有用植物等の増殖技術確立による高品質安定生産技術
予算区分 :国庫助成(地域基幹)
研究期間 :平成10年度(平成9年〜10年)
発表論文等: