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にんにくの省力機械化体系
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[要約]
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慣行の作業体系に種子選別機、にんにく植付機、茎葉刈払機、にんにく堀取機、
根切機、盤茎部調製機を新たに加えた省力機械化体系は、
10a当たりの労働時間が約200時間と大幅に短縮される。
青森県畑作園芸試験場・栽培部
[連絡先] 0176-53-7171
[部会名] 作業技術、野菜・花き
[専門] 作業
[対象] 根菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
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青森県では、にんにく栽培の作業時間を慣行の369時間から200時間にすることを
目標に掲げ、省力化のための技術開発を行ってきた。
これまで開発した個々の機械化技術を体系化することにより、
大幅な労働時間の短縮をはかる。
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[成果の内容・特徴]
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省力機械化体系は、従来の作業体系に新たに種子選別機、にんにく植付機、
茎葉刈払機、にんにく掘取機、根切機、盤茎部調製機等を加えたものである
(表1)。
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省力機械化体系では、10a当たりの労働時間が慣行(369時間)より167時間減少し、
203時間と大幅に短縮される(表1)。
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種子の準備作業は、種子選別機の導入により、労働時間が24.0時間に短縮され、
慣行の38%の省力となる(表1)。
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植付け作業は、にんにく植付機の使用により、労働時間が12.2時間に短縮され、
慣行の61%の省力となる(表1)。また、
にんにく植付機の能率は、3.3h/10aである(表2)。
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収穫作業は、茎葉刈払機、にんにく掘取機、
根切機を組み合わせて使用することにより、労働時間が29.4時間に短縮され、
慣行の66%の省力となる(表1)。また、
各機械の能率は、茎葉刈払機が0.6h/10a、にんにく掘取機が1.1h/10a、
根切機が4.0h/10aである(表2)。
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選別・調製作業は、盤茎部調製機の使用により、労働時間が102時間に短縮され、
慣行の24%の省力となる(表1)。また、
調製機の能率は28.1h/10aである(表2)。
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農機具費は34千円が見込まれ、経営的にも有利である
(表3)。
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[成果の活用面・留意点]
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利用規模の下限が大きい機械の導入に当たっては、
数戸の農家による共同利用の必要がある。
[その他]
研究課題名:にんにくの機械化栽培技術体系の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成10年度(平成4年〜10年)
発表論文等: