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水稲の玄米白度に関与する要因


[要約]
玄米白度は、着色粒の増加により低下し、白色不透明粒等の充実不足の粒や胴割粒の増加により高まる。各品種における栽培適地を超える高標高地での作付けや、刈り取り時期を失した場合、玄米品質の低下とともに玄米白度を低下させる要因となると考えられる。
岩手県農業研究センター・農産部・水田作研究室
                銘柄米開発研究室
県北農業研究所・やませ利用研究室
[連絡先] 0197-68-4412
      0197-35-1411
      0195-47-1070
[部会名] 水稲
[専門]  栽培
[対象]  稲類
[分類]  指導

[背景・ねらい]
米の白さを示す白度は、米粒表層部の色の濃淡とデンプン層の粗密による透明度の差とに支配され、透明度とは負の相関にあることが知られている(長戸ら1974)。近年、米卸等の流通業者では、玄米の価値判断に白度を加味するようになり、岩手県産米が他県産よりやや低い傾向があるとの指摘があったことから、本県産米を用い玄米白度を低下させる要因を明らかにする。

[成果の内容・特徴]
  1. 玄米白度は、「乳白」や「白死」等の、充実が不十分で透明度が低い粒の混入割合の増加にともない高まり、「青未熟」「茶米」等の着色粒の増加にともない低下した(図1)。また、「胴割」の混入により玄米白度が上昇した(図2)。  
  2. これまでの知見及び今回の調査結果から、玄米形質が白度に関与する要因について概念図を作成した(図3)。  
  3. 刈取り時期と玄米白度との関係は、「ひとめぼれ」の場合、登熟積算気温900℃前後の早刈りでは「青未熟」の混入により白度は低下し、登熟積算気温1,200℃前後の遅刈りでは、「青未熟」の減少と「白色不透明粒」の増加により上昇した。一方、整粒歩合は、どちらの場合も低くなった(図4)。  
  4. 作付け圃場の標高と玄米白度との関係を平成6,7年産「ひとめぼれ」について調査した結果、標高120m以下では白度値は19以上、標高121m以上では19未満となる頻度が高く、栽培適地を超える高標高地での作付けは、玄米白度を低下させる要因となると考えられた(図5表1)。                                                                                                                 

[成果の活用面・留意点]
  1. 玄米白度計(ケットC−300)での測定した玄米白度値について検討したものである。
  2. 本県における各品種の栽培適地は、「ひとめぼれ」は北上川流域で標高概ね120m以下、「あきたこまち」は標高概ね240m以下、「かけはし」が標高概ね250〜350mの地帯としている。

[その他]
研究課題名:玄米白度決定要因調査、県北型高品質米生産技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成9〜12年度
研究担当者:吉田 宏、尾形 茂、寺田道一、高橋政夫、神山芳典、飯村茂之、伊五沢正光、石山伸悦