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リンゴ「きおう」の表面色カラーチャートによる収穫適期判定


[要約]

 リンゴ「きおう」の収穫適期判定のための表面色カラーチャートを作成した。比色は果実赤道部の陽光面と陰光面との中間部で行う。収穫適期の目安は、即売の場合で指数3〜4、系統出荷の場合で2.5〜3.5である。

[キーワード]

リンゴカラーチャート、表面色、きおう、収穫適期

[担当]岩手農研セ・園芸畑作部・果樹研究室
[連絡先]0197-68-4417
[区分]東北農業・果樹
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 リンゴ「きおう」は、黄色の早生品種であることから収穫適期の判定が難しく、簡易な収穫適期の判定技術が求められている。このため、果実の表面色カラーチャートを作成し、その実用性を検討した。

[成果の内容・特徴]

1.

表面色カラーチャートの指数は、収穫適期の色調を中心とした1〜6の6段階であり、各指数の中間値も判定に利用する(図1)。

2.

カラーチャートと果実との色差を、色相角度(H°)で比較した結果、果実の色変化に表面色指数がほぼ合致する(図2)。

3.

指数と果実の各品質要素との間に高い有意な相関が認められ、果実品質からみた収穫期(糖度13%以上、硬度141bs以下)に達するのは、指数2.5以上である(表1)。可食適期は指数3〜5であるが、果実の日持ち性を考慮し、即売用では指数3〜4、系統販売用では指数2.5〜3.5で収穫するのが適当である。

4.

指数2.5〜3.5に達する満開日からの起算日数は、115〜120日である(図3)。

[成果の活用面・留意点]

1.

「きおう」の表面色は収穫期直前(約5〜7日前)から急激な変化を示すため、収穫開始予定の10日前から2〜3日毎に測定し収穫期を把握する。

2.

果面のいずれの部位で測定しても果実品質との相関は高いが、陽光面の着色や日焼けによる誤差の排除や、測定の利便性から、果実赤道部の陽光面と陰光面との中間で測定する。また、直射日光下での測定は避ける。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

新品種等の安定生産技術の確立

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

石川勝規、佐藤秀継、鈴木哲、佐々木仁、小野田和夫

発表論文等: 石川ら(2000)園学要旨.平12東北支部:13-14.2000 りんご「きおう」の収穫適期判定技術の開発

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