研究所トップ研究成果情報平成13年度

消費者が「地域特産品」に対して抱くイメージと購入行動


[要約]

 消費者の特産品に対するイメージは「素朴」「手作り」「限定品」で、「地域イメージ」「めずらしさ」「パッケージ」等に留意した購入を行っている。「道の駅」での特産品購入比率が高いグループの特性は、男性及び50代以上層が多く、「旅行・余暇」「自然・地域体験」に対する意識が強く、旅行ガイドで特産品に関する情報入手を行っている。

[キーワード]

地域特産品、消費者、イメージ、マーケティング、道の駅

[担当]秋田農試・経営計画部・経営管理担当
[連絡先]018-881-3330
[区分]東北農業・経営
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

 地域資源を活用した「地域特産品」の開発・販売が課題となっている。具体的商品の企画・開発に際しては、「地域特産品」のイメージや消費者の購入行動、さらにはターゲット特性の理解が不可欠である。そこで、消費者が「地域特産品」に対して抱くイメージ・購入時の留意点、そして「地域特産品」購入経路として重要な役割を果たしている「道の駅」での特産品購入比率が高いグループの特性、を明らかにする。

[成果の内容・特徴]

1.

消費者は地域特産品としての「農産物」には「素朴」、「加工食品」に対しては「手作り」「限定品」といったイメージを抱いている。

2.

消費者の「地域特産品」購入時の留意点は、自ら消費する場合は「おいしさ」「価格」「めずらしさ」、お使いものとする場合は「めずらしさ」「地域イメージ」「おいしさ」である。また、「大きさ」「外観」「パッケージ」という回答も「お使いもの」とする場合は多く、「パッケージ」「地域イメージ」等への配慮が重要となる(図1)。

3.

「道の駅」での「地域特産品」購入比率が高いグループAの特性は以下の通り。
(1)

男性及び50代以上層の比率が他のグループに比べて高い。

(2)

「旅行・余暇」「自然・地域体験」に対する意識や行動は強いが、「流行・新商品」に対しては弱い。

(3)

購入目的では「自家消費」と「お使いもの」に偏りはみられず、双方を目的とした購入を行っている。

(4)

「旅行ガイド」が商品情報の主な入手先となっている(以上、表1)。

(5)

自ら消費することを目的とした「洋菓子」「その他デザート類」の購入比率が高い。

(6)

お使いものとしての「味噌・醤油」「豆腐・納豆」「食肉加工品」「ワイン」の購入比率が高い(以上、図2)。

生産者等が「道の駅」での地域特産品の販売を行おうとする場合、これらのターゲット特性を踏まえた開発商品の絞り込み、商品開発・情報発信戦略の立案・展開が必要となる。

[成果の活用面・留意点]

1.

具体的な「地域特産品」の開発に先立ち、その方向性を検討する際に活用する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

中山間地域における産地マーケティングに基づく特産的高付加価値農産物の生産技術

予算区分:

国補(地域基幹)

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

清野誠喜

発表論文等:

1)清野(2001)東北農業 別号14
2)清野(2001)東北農業 54


成果情報に戻る部会別Indexに戻る