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ヒエ、アワ、キビのでんぷん特性


[要約]

 粳系統のヒエ「達磨」、アワ「虎の尾」、キビ「田老系」はアミロース含量が30%以上の高アミロース系統で、炊飯した場合は粘りが少なく、さめると固くなりやすい。糯の系統のアワ「大土10」、キビ「釜石16」はアミロース含量が2〜3%で炊飯した場合は粘りがあり、さめても軟らかい。

[キーワード]

ヒエ、アワ、キビ、アミロース含量、粘り

[担当]岩手農研・生産環境部・保鮮流通技術研究室
[連絡先]0197-68-4425
[区分]東北農業・流通加工
[分類]科学・参考


[成果の内容]

1.

粳の系統
ア.

アミロース含量は、ヒエ「達磨」32.9%、アワ「虎の尾」33.9%、キビ「田老系」36.9%で、どれも高アミロース系統である。(表1

イ.

アミログラムの最高粘度はひとめぼれと比較すると、どの系統も最高粘度はかなり低くブレークダウンも小さい。(表2

ウ.

オートクレーブ105℃、20分の加熱を行った場合、粘りが少なく、ぱらぱらしており、さめると固くなりやすい。

エ.

上記の条件で加熱する時は、穀粒重量の1.3〜1.4倍の加水量にすることにより、一般の炊飯米とほぼ同じ固さとなる。(表3

オ. 加熱後の体積増加率(加水量1.3〜1.4倍時)は約2〜2.5倍である。(表4

2.

糯の系統
ア.

アミロース含量はアワ「大槌10」3.7%、キビ「釜石16」2.2%である。(表1

イ.

アミログラムの最高粘度、ブレークダウンはひとめぼれと比較すると低いが、ヒメノモチにやや近い値を示す。最終粘度およびコンシステンシーもひとめぼれと比較すると低く、ヒメノモチに近い値を示す。

ウ.

オートクレープ105℃、20分の加熱を行った場合は、かなり粘りが強くさめても、固くなりにくい。

エ.

上記の条件で加熱する時は、穀粒重量の1.1〜1.2倍の加水量にすることにより一般の炊飯米とほぼ同等の固さとなる。

オ.

加熱後の体積増加率(加水量1.1〜1.2倍)は1.7〜1.8倍である。

[成果の活用方法及び留意事項]

1.

雑穀の加工用途拡大をはかるうえで成分・品質の基礎資料となる。

2.

今後、食味を重視して系統の選定を行っていくうえで、品質評価の一つの指標となる。

3.

アミロース含量は気象条件による変動があると考えられる。

[当該事項に係る試験研究課題]

2-1-(1)-ウ 雑穀の加工適性評価

[参考文献・資料]

(1)米の食味評価最前線(1997)全国食糧検査協会
(2)平成9年度水稲育種研究室試験成績書

[具体的データ]


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