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イチゴ用残株抜き取り装置


[要約]

 イチゴの小型管理機用残幹処理機(市販機)に付加する抜き取り装置を開発した。従来の手作業による残株処理の作業負担を軽減できるとともに、効果的に残株の抜き取りができる。

[キーワード]

イチゴ、残株、抜き取り、機械化、アタッチメント、軽労化

[担当]宮城県農園研・園芸栽培部・野菜チーム
[連絡先]022-383-8132
[区分]東北農業・作業技術
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 イチゴの根を切断し枯死させる小型管理機用残幹処理機が市販されている。しかし、残株が畝上に抜き取られずにあるため、枯死せずに活着する場合があった。また、イチゴは土壌伝染性病害虫等に罹病した株が、伝染源となり病害の被害を拡大させる。このため収穫後に残株を掘り取る作業が必要である。この作業は、夏期高温期のハウス内で行われるうえ,作業負担が高く,省力化が望まれている。そこで、市販の小型管理機用残幹処理機に装着できる抜き取り装置を開発する。

[成果の内容・特徴]

1.

本機は、市販の小型管理機用残幹処理機に新たに株を引く抜く機構を付加したものである。

2.

処理工程は,本装置を付加することで、(1)残株の断根、(2)マルチ下で根と土壌の分離、(3)マルチ上への抜き取り、(4)うね上への残株排出を1行程で行うことができる(図1図2)。

3.

処理時間は、手作業で7時間/10aに対し、本機では1.5時間/10aで処理が可能である。また、抜き取りやうね上への放置割合は、共に良好である(表1)。

4.

手作業時は,作業負担の高い姿勢割合が全作業時間の1/2以上を占めるが,本機使用時では、ほとんどが歩行している状態で行うことができる。(図3)。また、心拍増加率では、手作業と比べ約20ポイント低い状況に改善される(データー省略)。

[成果の活用面・留意点]

1.

本機を使用する際の土壌は、なるべく乾燥した状態で、うね高が45cm以下で一定であることが望ましい。

2.

処理時の草高は、概ね15cmを下限とし、それ以下の場合には、残株の断根、マルチ下での根と土壌の分離までで、それ以降の処理は困難な面があるため人力により補う。

3.

大型ハウス等柱周りにコンクリート等で補強し、それを取り巻くように作畦した際は、機械処理の障害になるので、柱側の抜き取り装置を稼働させないようにする。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

イチゴ栽培用簡易残さ処理機の開発

予算区分:

県単

研究期間:

1999〜2000年度

研究担当者:

三品和敏、大泉眞由美

発表論文等:

1)残株抜き取り装置:特願2001−255833号


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