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ダイコンのべたがけ栽培によるタネバエ被害の軽減


[要約]

 タネバエ被害が多発しやすい5月中〜下旬播種のダイコンを播種後30〜40日間不織布で被覆すると、作土への産卵が回避され、根部被害の発生が抑えられる。

[キーワード]

タネバエ、ダイコン、物理的防除、不織布、べたがけ

[担当]青森県農試・病害虫防除室
[連絡先]0172-52-4314
[区分]東北農業・生産環境(病害虫)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 ダイコンのタネバエに対する有効な防除手段はこれまでほとんどなかったが、不織布のべたがけ栽培による成虫の侵入・産卵防止効果について検討したところ、根部被害の軽減効果が認められたので、防除の参考に供する。

[成果の内容・特徴]

1.

タネバエ被害が最も多い5月中〜下旬播種のダイコンを播種後30〜40日間不織布で被覆すると、作土への産卵が回避され、幼虫による根部食入被害が軽減される(表1)。

2.

被覆除去後に産卵があり、産卵量に応じて被害が発生する(図1)。そのため、被覆期間が長いほど、産卵が回避され被害の軽減効果が高まる。

[成果の活用面・留意点]

1.

被覆期間が長くなるにつれ根の肥大は抑制される(表2)。

2.

被覆により曲根が生ずることがあるので、うねより幅の広い被覆資材を弛めに張る(表3)。

3.

タネバエ以外の害虫に対しては、被覆中に特別の対策は必要ないが、被覆資材除去後には発生状況に応じて防除が必要となる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

タネバエの発生変動要因の解明と防除法、病害虫防除農薬試験

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

木村勇司、木村利幸

発表論文等:

ダイコンのべたがけ栽培によるタネバエ被害の軽減 第55回北日本病虫研発表予定


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