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家畜ふんたい肥の品質は外観とECにより簡易に評価できる


[要約]

 現場でできる外観評価項目(臭気・形状・水分・色)の点数化により未熟・中熟・完熟の分類が可能である。また、たい肥の風乾ECと肥料成分の間には正の相関が認められる。このことから、外観とEC簡易分析値により、簡便にたい肥の品質評価ができる。

[キーワード]

家畜ふんたい肥、簡易評価、外観、EC、熟度

[担当]岩手農研・生産環境部・土壌作物栄養研究室
[連絡先]0197-68-4423
[区分]東北農業・生産環境(土壌肥料)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 家畜ふんたい肥の品質評価は流通利用上不可欠である。品質に関わる熟度や肥料成分の簡便な評価法を開発するために、それらの品質項目と外観やEC簡易分析値との相関をそれぞれ検討した。

[成果の内容・特徴]

1.

形状、臭気、水分、色の4項目について評価基準に従って評価する。なお、この4項目の評価点数の配点は、総合評価との重回帰を行い、偏相関係数を考慮して設定した(表1)。

2.

4項目の合計で品質評価点を算出し、未熟、中熟、完熟と分類する(表2)。

3.

評価点数と総合評価との間には高い正の相関があり、利用者(耕種側)から見たたい肥の簡易評価ができる(図1)。

4.

風乾EC(EC測定法は文献2を参照)とN・P・K成分(乾物当たり)との間には正の相関関係があり(N;r=0.460、P2O5;r=0.291、K2O;r=0.919 いずれも危険率1%で有意)たい肥の肥料成分評価に利用できる。ただし、ばらつきも多く成分の推定が可能なものはK2Oである(図2)。

[成果の活用面・留意点]

1.

たい肥の評価を行う場合には均一な試料(切返し後のたい肥など)を用いて行う。

2.

たい肥の外観による品質評価を行う場合にはできるだけ複数で行う。

3.

ECの基準値は成果情報「家畜ふんたい肥の特性評価システム」(東北農業、2001)に記載した。

[具体的データ]

 
[その他]
研究課題名:

家畜ふん堆肥の品質評価基準の策定

予算区分:

国・県

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

高橋正樹、高橋良学、小野剛志

発表論文等:

なし


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