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育苗中のいもち病を考慮したイネ苗のケイ酸含有率の目標基準値


[要約]

 育苗のいもち病に対する耕種的防除対策としてケイ酸の活用が有効であり、苗のケイ酸含有率の目標値基準値として移植時で5%以上である。

[キーワード]

水稲育苗、いもち病、耕種的防除、ケイ酸資材、ケイ酸含有率、基準値

[担当]山形県立農業試験場庄内支場・水田技術部
[連絡先]0235-64-2100
[区分]東北農業・生産環境
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

 本田における早期の葉いもち発生は、育苗中の発病苗の持ち込みに起因することが指摘されており、その耕種的対策としてケイ酸が有効である。そこで苗のケイ酸含有率と育苗中のいもち病発生との関係を明らかにするとともに、健苗としてのケイ酸含有率基準値を設定し、育苗中のいもち病発生の軽減と育苗培土を適正に評価する資料とする。

[成果の内容・特徴]

1.

苗のケイ酸含有率を高めると育苗中の二次感染による苗いもちおよび葉いもちの発生を抑制する。(図1

2.

真性抵抗性遺伝子型の違いおよび圃場抵抗性の強弱にかかわらず、いずれの品種の苗でもケイ酸含有率が3%近くになると葉いもちの病斑数が急激に低下し、5%以上で病斑数が1/10以下になる。(図2

3.

育苗培土の種類が異なっても、ケイ酸含有率が4%まで葉いもちの病斑数が低下し、5%以上では横ばい状態となる。(図3

4.

育苗中のいもち病の発生から考慮した苗のケイ酸含有率の目標値として、移植時の苗で5%以上である。

[成果の活用面・留意点]

1.

苗および育苗培土の適正な評価の参考基準となる。

2.

いずれの品種および育苗培土においても適用となる。

3.

種子消毒は慣行どおり行う。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

化学合成農薬50%節減のための環境保全型農業技術の開発

予算区分:

県単

研究担当者:

早坂剛、藤井弘志

発表論文等:

植物病理学会東北部会(2001)


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