研究所トップ研究成果情報平成13年度

牛核移植におけるドナー細胞の正倍数体比率の影響


[要約]

 ドナー細胞は、集団細胞倍加数(PDL)の増加に伴い正倍数体比率が低下する。また、正倍数体比率が75%以上のドナー細胞を用いることにより、安定した胚盤胞発生率が得られる

[キーワード]

牛、核移植、集団細胞倍加数(PDL)、正倍数体比率、胚盤胞発生率

[担当]山形県農業研究研修センター・畜産研究部・先進技術開発科
[連絡先]0233-23-8816
[区分]東北農業・畜産
[分類]科学・参考


[背景・ねらい]

 遺伝的にほぼ同一な家畜を生産する核移植技術は、家畜生産を一層効率化する技術として期待されており、特に、体細胞をドナーとした核移植は能力の判明している個体の複製生産が可能となる。
 多くの複製個体を得るには、ドナー細胞の数的確保が重要であり、培養により可能な限り増殖させたものが望まれる。そこで、PDLの異なる同一培養細胞(ウシ外腹斜筋由来繊維芽細胞)の正倍数体比率を調査するとともに、同細胞をドナーとして核移植を行い、正倍数体比率と胚盤胞発生率の関連を検討した。

[成果の内容・特徴]

1.

PDL4、24、44および64の培養細胞における正倍数体比率は、それぞれ88.9%、77.1%、76.0%および60.7%であり、PDLの増加に伴い正倍数体比率は低下した。また、PDL44までは75%以上の正倍数体比率であった。(表1

2.

PDL4、24、44および64における核移植胚の胚盤胞発生率は、それぞれ30.0%、40.2%、23.9%および5.0%であり、PDL44までは安定した発生率を示した。(表2

[成果の活用面・留意点]

1.

牛核移植に用いるドナー細胞の選抜指標。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

ウシ体細胞を用いた核移植胚の発生能

予算区分:

県単

研究期間:

2001年度

研究担当者:

青柳和重、斎藤真希、小林正人

発表論文等:

1)青柳ら(2001)第8回日本胚移植研究会大会講演要旨集,21.
2)青柳ら(2001)山形県農業研究研修センター研究報告,第48号,10−11.


成果情報に戻る部会別Indexに戻る