1. |
2グループを対象に、ソバの「消費実態」「イメージ」「機能性成分」「加工品」等に関してグループインタビューを行った。そして、それぞれのグループからニーズ表現を抽出し、上位下位関係分析法(個々のニーズの上位となるニーズを抽出し最上位ニーズに到達する)を適用してニーズ構造を解明した。 |
2. |
グループA(図1)では46のニーズ表現から、最上位ニーズ「日常の食事を気分良く摂りながら家族の健康を維持したい」とそれを支える4つのサポートニーズを、グループB(図2)では35のニーズ表現から最上位ニーズ「健康に気をつけつつ無理せず楽しく美味しい物を食べたい」と5つのサポートニーズを抽出した。 |
3. |
このようなニーズ構造の明示化により、消費者ニーズを的確に把握することができる。例えば、「子どもが喜ぶソバ菓子がほしい」というニーズ表現は、単に「子どもの好む菓子」を望んでいるのではなく、その上位ニーズ「日常の食生活で自分や家族の健康を保ちたい」との関係で、栄養価が高く安全性に配慮した菓子を望んでいることがわかる。 |
4. |
抽出したサポートニーズとそれに連なるニーズ表現から、以下のような方策が提言できる。1)製麺に関しては、子どもが食べやすい麺、ゆで方の簡単な麺、ソバ湯がとれる麺等のニーズへの対応や、安全性の高い原材料の使用が重要である。2)加工品に関しては、機能性成分のアピールが重要であるが、味が良くて消費者の好みに合うものでなければ需要は見込めない。3)ソバモヤシ等の新しい商品は、その調理法などもあわせて紹介する必要がある。4)ソバの消費拡大に対しては、機能性成分の分かり易く具体的なアピールとともに、ソバに合ったおかずに関する情報の提供、新しい調理法の紹介、ソバの「年寄り向け」というイメージの払拭等が必要である。 |