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デルフィニウムの雌ずい及び花粉の受精能力と受粉適期


[要約]

 デルフィニウム・エラータム系品種の雌ずいは柱頭裂開当日から3〜5日程度受精能力を有し、雌ずいの受粉適期は柱頭裂開当日から2日後程度までであった。一方、花粉は開葯当日〜1日後まで発芽能力を有し、花粉の受粉適期は開葯当日のもので、この時点では小花において柱頭が葯塊にかくれて見えず、これが開葯当日の目安となる。

[キーワード]

デルフィニウム、交雑、受精能力、受粉適期、育種

[担当]フラワーセあお・栽培開発部
[連絡先]017-728-8721
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]科学・参考


[背景・ねらい]

 デルフィニウム・エラータム系品種の交雑育種を行うにあたり、交雑種子を効率よく獲得するために、雌ずい及び花粉の受精能力の保持期間を把握するとともに、受粉の適期を把握する。

[成果の内容・特徴]

1.

雌ずいの受精能力は、「ブルーバード」、「サマースカイズ」、「ガラハッド」とも雌ずい柱頭裂開当日から有し、保持期間は「ブルーバード」及び「サマースカイズ」が5日、「ガラハッド」は3日程度であった(図1)。

2.

発芽率が高く結実数が多い雌ずいの受粉適期は、「ブルーバード」では雌ずい柱頭裂開当日〜1日後、「サマースカイズ」及び「ガラハッド」は裂開1〜2日後であった(図1)。

3.

花粉の発芽能力は、供試した3品種「ブルーバード」、「サマースカイズ」、「クリアスプリングス・ラベンダー」とも開葯当日〜1日後まで有した(図2)。

4.

花粉の発芽率の高い受粉適期は、「ブルーバード」、「サマースカイズ」、「クリアスプリングス・ラベンダー」とも開葯当日であった(図2)。

5.

花粉の開葯後日数の目安としては、花粉塊と雌ずいの相対的な位置関係が指標となり、開葯当日は雌ずい柱頭がまだ十分に伸長しておらず、その先端が葯塊にかくれて見えない。この時点の花粉が開葯当日のもので、発芽能力が高い(図3)。

[成果の活用面・留意点]

1.

デルフィニウム・エラータム系品種の育種及び採種において活用できる。

2.

この試験は7〜8月の高温期に実施したため、低温期には別途検討の必要がある。

3.

柱頭雌ずいの裂開状況の判定は肉眼ではやや難しくルーペでの観察が適当である。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

特色ある青森花きの品種開発と育成品種の地域適応技術の確立

予算区分:

県単

研究期間:

2000〜2001年度

研究担当者:

今 満、長根誠二

発表論文等:

1)今・長根(2002)平成13年度研究成果情報に掲載予定


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