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シンテッポウユリとヒメサユリの種間雑種の花芽分化と休眠覚醒


[要約]

 シンテッポウユリとヒメサユリの種間雑種‘杜の乙女’、‘杜の精’、‘杜のロマン,はヒメサユリと同様に球根内で花芽を分化し、花芽分化の適温は13℃程度である。休眠はヒメサユリより浅く、5〜13℃の低温に遭遇することによって休眠が覚醒する。

[キーワード]

ヒメサユリ、花芽分化、休眠、球根貯蔵温度、シンテッポウユリ、種間雑種

[担当]宮城農園研・園芸栽培部・花きチーム
[連絡先]022-383-8132
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]科学・参考


[背景・ねらい]

 宮城県に適したユリの新品種を育成することを目的として、宮城県内に自生しているヒメサユリを用いてシンテッポウユリと交雑して形成された胚を培養した結果、三つの新品種‘杜の乙女’、‘杜の精’、‘杜のロマン’を育成した。育成した新品種を用いて周年生産する上で必要な、花芽分化と休眠覚醒に及ぼす球根貯蔵温度の影響について調べた。

[成果の内容・特徴]

1.

シンテッポウユリとヒメサユリの種間雑種‘杜の乙女’、‘杜の精’、‘杜のロマン’はヒメサユリと同様に球根内で花芽を分化し、花芽分化の適温は13℃程度である(表1)。

2.

‘杜の乙女,、‘杜の精’、‘杜のロマン’はヒメサユリと同様に5〜21℃の範囲で花芽分化し、29℃では花芽分化しない(表1)。

3.

‘杜の乙女’、‘杜の精’、‘杜のロマン’の休眠はヒメサユリより浅く、5〜13℃の低温に遭遇することによって休眠が覚醒する(表2)。

[成果の活用面・留意点]

1.

‘杜の乙女’、‘杜の精’、‘杜のロマン’は萌芽前の球根内で花芽が分化するというヒメサユリの特性と、休眠が浅いというシンテッポウユリの特性を合わせもっているので、球根の貯蔵温度を調節することによって花芽分化と休眠覚醒を人為的に調節できる。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

園芸作物のオリジナル品種育成

予算区分:

県単

研究期間:

1999〜2003年度

研究担当者:

鈴木誠一

発表論文等:

1)園芸学研究に投稿予定。


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