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イヌドウナ(クワダイ)の実生による繁殖法


[要約]

 イヌドウナは、実生により容易に繁殖することが可能であり、実生苗は定植から1〜2年目の生育は量は極めて小さく、3年目からの生育量が増加し、収穫は4年目より開始することができる。

[キーワード]

イヌドウナ、実生栽培、収穫開始時期

[担当]山形県農業研究研修センター・中山間地農業研究部
[連絡先]0233-22-2201
[区分]東北農業・野菜花き(野菜)
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 イヌドウナ(クワダイ)は、山菜特有の香気が強く山どり山菜として人気があり、今後、つくり育てる山菜として有望である(写真1)。そこで、イヌドウナの野菜化技術の開発のため、実生から収穫までの栽培法について検討する。

[成果の内容・特徴]

1.

イヌドウナの低温(5℃)、湿潤処理した種子は、1月下旬(処理期間約80日)以降容易に発芽する。128穴、セル育苗の場合、4月下旬(育苗日数85日)以降5月下旬(同120日)は、定植に適した苗になる(表1)。

2.

定植後1〜2年間は生育量は極めて小さく、概して生育は緩慢である(表2)。

3.

定植直後は、遮光率50%以上の遮光により生育はより促進されるが、定植2年目以降は遮光の効果が認められない(表3)。

4.

定植3年目以降は、株の重量や芽数が急激に増加するなど、急激に生育量は増加する(表5)。

5.

うね幅135cm、株間20cm、2条植えの場合、定植3年目の秋期には株の分裂が見られる等の株間の競合状態が観察され、翌春(定植4年目)には収穫が可能になり、収量はa当たり65kg程度である(表5)。

[成果の活用面・留意点]

1.

繁殖は、実生の他に株分け及び挿し芽(6月)によっても行う事が可能である。

2.

収穫期間中は、品質向上のために70%程度の遮光を行う必要がある。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:

中山間地の未利用地を活用した山菜類の省力、軽労化栽培技術

予算区分:

国庫(新技術)

研究期間:

1999〜2001年

研究担当者:

齋藤克哉、永峯淳一、阿部 清

発表論文等:

齋藤克哉ら、イヌドウナの効率的な増殖法、東北農業研究54、2001


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