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切り花栽培におけるフラワーネット張りの省力化技術


[要約]

 プラスチック製フィルム留め具を木ネジで木材に固定して、ワンタッチ式のフラワーネット留め具及びフラワーネットの張りを持たせる波形フックを開発した。これらの器具を利用すると作業時間を約1/3に省力化できる。

[キーワード]

切り花、フラワーネット張り、フラワーネット留め具、波形フック、省力化

[担当]福島農試・野菜部・花き栽培研究室
[連絡先]024-932-7786
[区分]東北農業・野菜花き
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

 福島県内の切り花栽培面積は約600haで、枝物類を除いた切り花類のほとんどで、フラワーネットを張り倒伏防止と品質管理を行っている。しかし、近年は生産者の高齢化等により、作業の軽労化や省力化が望まれている。そこで、毎年繰り返される切り花栽培におけるフラワーネット張りの省力化技術を開発する。

[成果の内容・特徴]

1.

プラスチック製フィルム留め具(ロングホルダー)を木材(幅6cm)にネジで固定したワンタッチ式の「フラワーネット留め具」を考案した(図1)。さらに、#16被覆線を利用して、フラワーネットのサイドを固定しネットの張りを良くする「波形フック」を考案した(写真1写真2写真3)。

2.

考案した「フラワーネット留め具」と「波形フック」を使用したネット張り作業時間は、10mのベッドの場合4分程度である。慣行での作業に要する時間は11〜12分で、約1/3に作業時間が省力化される(表1)。

3.

負荷をかけた場合、フラワーネットの弛みの程度は慣行の方法であるマイカ線+ヒモ誘引とマイカ線+専用輪ゴム誘引の中間である。

4.

ベッドの長さ20m、幅70cmを想定した場合に要する10a当たりの経費は約18,000円で、慣行(17,500〜21,400円)と同等か、より安価である(表2)。

[成果の活用面・留意点]

1.

フラワーネット張りを要する全ての切り花類に利用できる。

2.

「フラワーネット留め具」、「波形フック」は容易に自作できる。

3.

切り花の生育に合わせたネット上げ及びネットの取り外し作業は、慣行のフラワーネット張り作業より容易である。

4.

「フラワーネット留め貝」の作成に当たっては、支柱の幅(ベッド幅)に合わせてプラスチック製フィルム留め具を固定しないと、プラスチック製フィルム留め具に弛みが生じ使用期間を短くすることがあるので注意する。

5.

「波形フック」は、ヒモや輪ゴムに比べ柔軟性に欠けるため、単糸ネットの場合は強風によりフラワーネットに傷みが生じることもある。

[具体的データ]

      

[その他]
研究課題名:

地域特性にあった花き新品種・系統の高位安定生産技術の確立・フラワーネット張りの省力化技術

予算区分:

県単

研究期間:

2001年度

研究担当者:

安斎正典

発表論文等:

東北農業研究第54号


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