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微粉末状の蛍光顔料であるSINLOIHI FX300シリーズ(シンロイヒ株式会社)を用いてアカヒゲホソミドリカスミカメを大量標識する。 |
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[方法1]粉末蛍光顔料を広げたシャーレをケージの中央に設置し、吸虫管等を用いてアカヒゲ成虫を顔料の上に落下させて適量の顔料を体表に付着させる。成虫はすぐに顔料から飛び去るので連続した標識が可能である。飼育個体や野外で捕獲した個体を標識するのに適する。 |
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[方法2]または,本種の生息地において蛍光顔料を20g/m2で均一に散布し,本種を植物体と共に一斉に標識する。雑草地に定着している個体を無差別に大量標識するのに適する。 |
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虫体に付着した顔料は、ブラックライトやUVランプの紫外線を照射することで確認できる(図1、2)。 |
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交尾により標識個体から非標識個体へ顔料が移行して、非標識個体の後脚などからわずかな蛍光が検出されることがあるが、蛍光の程度と特徴から標識個体と区別できる(図2)。 |
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雨天を含む野外条件で、蛍光顔料は少なくとも2週間、検出可能なレベルに維持される。 |
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羽化日に標識した成虫の生存率は非標識虫と比較して差がない(図3)。 |
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室内における飛翔試験の結果、標識虫の飛翔能力は非標識虫と比較して差がない(表1)。 |
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微粉末蛍光顔料は複数の色が入手可能で、安価である。 |
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ネイルエナメルによる標識法と比較してより簡便で、能率が格段によい。 |