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黒毛和種経産牛を供試している。免疫は、発情日に初回免疫を、その28日後に追加免疫を行い、ヒツジインヒビンαサブユニットとして各々0.5mgを皮下に投与する。追加免疫後2〜3ヶ月の間、複数の卵胞発育が誘発される。さらに追加免疫を継続することで、免疫効果を持続できる。 |
| 2. |
生体内卵子吸引は、1発情周期中3日間隔で3〜5回の吸引を連続した2〜3発情周期の間反復して行っている。実施には、超音波診断装置(SSD-1200, Aloka)に7.5MHzの探触子(UST-M15-2361-1, Aloka)を装着し、吸引ポンプ(KMAR-50000、cook)に17G吸引針(K-OPSD-1760, cook)を接続して、80mmHgの条件で吸引している。 |
| 3. |
免疫区では、卵胞吸引後の次期卵胞の発育速度は、直径5-9mmの卵胞で早く(P<0.01)、卵胞の吸引除去後3日目に総卵胞数と直径10mm以上の卵胞数が増加する傾向が認められる。このことから、免疫は卵胞の発育速度を早めている。(図1) |
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卵胞数は免疫区と無処置区の間で差はないが、卵子については、免疫区ではAランク(顆粒膜細胞層が緻密で厚い)が多く(P<0.05)、Bランク(緻密で薄い)が少なくなる(P<0.01)。C、Dランク(それぞれ裸化、拡張)については差は認められない。これらのことから、吸引卵子を用い体外受精による移植胚作出の際、免疫は良質の卵子を採取するための有効な処置であると考えられる。(図2、3) |
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採取した卵子の核相は、免疫区で核のステージがそろう傾向が認められる。(図4)。 |