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花芽形成を抑制する機能をもつシロイヌナズナの遺伝子TERMINAL FLOWER1(ターミナル フラワー1:TFL1)と相同な機能を持つ遺伝子をリンゴから単離し、MdTFL(エムディーティーエフエル:Malus domestica TFL1)と命名した(図1)。 |
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リンゴ茎頂部におけるMdTFLの発現は、花芽分化期直前にピークに達し、その後減少する(データ略)。 |
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MdTFLを過剰に発現するシロイヌナズナの組換え体は、播種後平均30日で開花した対照(野生型)と比較し9〜23日開花が遅延し、MdTFLは開花抑制(幼若性維持)機能を有することが示唆された(図2)。 |
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MdTFLの発現を抑制することで花芽分化を促進させるという考えに従い形質転換用ベクター(MdTFLアンチセンス遺伝子を組込んだベクター)を構築し、その遺伝子をリンゴ「王林」の葉片培養細胞に導入して組換え体を作出した。培養器内の組換え体「王林」から茎頂部を切り出し、鉢植えの台木に接木し隔離温室内で生育させたところ、最短8ヶ月で開花する系統が得られた(図3)。 |
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早期開花した系統の花器官は形態的に正常であり(図4)、受粉することにより正常な果実を形成した。 |