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「紅玉」の花芽分化時期の茎頂部からmRNAを単離して、cDNAライブラリーを作製した。シロイヌナズナなどのLEAFY遺伝子の相同部分からプライマーを合成し、逆転写PCR法で、リンゴからLEAFYホモログをクローニングしAFL1とAFL2と名付けた。 |
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AFL1、2は他植物のLEAFYホモログと相同性を持ち、最も高いものではポプラのLEAFY相同遺伝子PTLFにアミノ酸のレベルで70%の相同性を示す。 |
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リンゴゲノム中にAFL遺伝子は複数個存在する。さらに、AFL1の発現が花芽分裂組織だけなのに対し、AFL2は栄養成長組織や花器官、根でも見られる(図1)。花芽分化時の茎頂ではAFL2の発現が常時見られるが、AFL1は、形態的変化に伴ったパターンを示す(図2)。 |
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シロイヌナズナに導入したAFL1、AFL2は早期開花し、ロゼット軸から直接単生花を生じさせる。特にAFL2を導入したシロイヌナズナでは、単生花において形態異常の花が多数見られる(図3)。 |
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AFL1、AFL2を導入したシロイヌナズナでは、AFL2導入転換体の方がより強い表現型を示す。これらの結果は、両遺伝子のリンゴでの機能的な役割分担を示唆する。 |