| 1. |
K社製携帯型装置(図1)による糖度測定は樹上果の赤道部の陽向面と陽背面の中間部分を2ケ所測定し、平均値を求める。樹冠内の糖度分布を推定するために樹の南北方向(樹列)と東西方向(通路)の50cm×50cm×50cmの立方体の中に入る果実の糖度測定を行い、それぞれ幹から±50cm奥行1mの枠に入る果実の平均値を使用する。 |
| 2. |
平成11年産の「ふじ」、「ジョナゴールド」、「つがる」等7品種、5場所(果樹研リンゴ研究部、岩手農研、長野果試、青森りんご試、山形園試)の果実データに基づき非破壊測定による未熟果用の糖度検量式を作成した。 |
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果実の近赤外スペクトルは温度の影響を受け、測定時の温度によってバイアス(誤差)を生じる。品温を変えた果実サンプルをもとに温度補償型検量式を作成し、再計算することにより誤差を小さくすることができる(図2)。 |
| 4. |
リンゴの主要品種における果実糖度の予測精度は未熟な段階からほぼ全期間を通じて高く、収穫50日前からの樹上果の糖度の測定が可能である(表1)。 |
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収穫約20日前の推定糖度と収穫時の実測糖度との相関は高く(r=0.833)、樹上未熟果の推定糖度から収穫時の糖度予測が可能である(データ省略)。 |
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本方法を用いて樹高2m以下における樹冠内の糖度分布を調べることにより、収穫前に品質不良樹や樹冠内の糖度が低い部分を明らかにすることができる(図3)。 |
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樹冠内糖度と相対日射量は関係が深く、相対日射量が30%以下の部分では糖度が低下しやすい。(図3)。 |