| 1. |
TiプラスミドおよびRiプラスミドのvirC領域上に位置する診断用のプライマー組(VCF3:5'-GGCGGGCGYGCYGAAAGRAARACYT-3'、VCR3:5'-AAGAACGYGGNATGTT
GCATCTYAC-3')を設計した。 |
| 2. |
各種植物等から分離されたAgrobacterium属菌のうち、biovarが異なり、Tiプラスミド、Riプラスミドのいずれかを有する9菌株及び非病原性の1菌株を用いて、本プライマー組(VCF3、VCR3)あるいは従来のPCRプライマー組(VCF、VCR:澤田(1995)ら)を用いコロニーPCRを行ったところ、本プライマー組においてコロニーPCRによる病原性菌株の検出が可能であった(図1)。電気泳動により、これらはサイズが414bpのバンドとして検出される(図1)。 |
| 3. |
岩手県及び青森県のリンゴ根頭がんしゅ病罹病樹から分離した29菌株を用いて、コロニーPCRを行っところ、トマトに病原性の認められた18菌株を特異的に検出できた(図2)。 |
| 4. |
PCR 用Taq ポリメラーゼ酵素として、主にAmpliTaq Gold(Applied Biosystems)を用いたが、HotStar Taq(QIAGEN)、Ex Taq(TaKaRa)のいずれを用いた場合も同程度の検出感度である。 |
| 5. |
上記のプライマー開発により、菌株よりDNA抽出を行うことなく、コロニーPCR法により、リンゴ根頭がんしゅ病菌を簡易診断することが可能である。 |