| 1. |
防除暦で夏期の基幹となる殺菌剤(基準薬剤)をほぼ15日間隔で散布した場合、黒星病、斑点落葉病、すす斑病、すす点病では、従来の10日間隔の散布と同等の防除効果が得られる(表1に2002年の結果、評価は複数年の結果から判断)。 |
| 2. |
炭疽病及び褐斑病では、一部の薬剤でやや防除効果が劣る(表1、*印)ことから、これらの薬剤については、多発条件下では防除剤として使用しない。ニセアカシアなどの伝染源が近くにあり毎年のように炭疽病が多発する園地、また、前年に褐斑病が多発したり、当年に多発する兆候がある園地では、基準薬剤の中から効果の優れた薬剤を選択する。 |
| 3. |
モモシンクイガの防除時期は6月中旬から9月上旬であり、従来10日間隔で防除している。7月初めに合成ピレスロイド剤を散布し、第1世代のふ化幼虫の果実食入を徹底的に阻止することで夏期の散布を15日間隔とすることができる。また、食入防止期間が25日以上ある合成ピレスロイド剤の場合は、次回の7月半ばの防除剤を省略できる(表2)。ただし、周辺にモモシンクイガの発生源があったり、自園で前年に被害が見られた場合は省略しない。 |
| 4. |
7月初めに合成ピレスロイド剤を使用することで、キンモンホソガ及びリンゴコカクモンハマキも防除が可能であり、発生が多い場合はキンモンホソガでは7月末、リンゴコカクモンハマキでは8月半ばに防除剤を加用する。 |
| 5. |
夏期の散布回数を削減する大規模実証試験を1998年から5年間、津軽及び南部地域5地点、延べ17回実施し、病害虫の発生において特に問題がないことを確認した。 |