| [背景・ねらい] |
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果樹研究所リンゴ研究部で開発されたリンゴの新わい性台木JM1とJM7は優れた挿し木発根性を有し、苗木生産の効率化や生産者の自家増殖への応用が期待されている。
JM台木利用による苗木の育成年限をさらに短縮するため、接ぎ木挿し法を用いた苗木生産技術の改善を検討した。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
接ぎ木挿しに使用するJM台木は、充実した太めの穂木の基部寄りの部分を用い、40cmの長さに調整する。
マルチには挿し木前に20cm×15cmの間隔で穴を開けておき、台木部を20cmの深さまで挿す。
挿し木活着率向上のため、挿し木直前に市販の発根促進剤(インドール酪酸液剤4倍液)に台木下部を瞬間浸漬する(データ省略)。 |
| 2. |
接ぎ木挿しにおける床土の被覆資材は、黒マルチより白黒マルチの方が生育の良い苗木の比率が高い(図1)。
黒マルチは、晴天時に台木部の表面温度が過度に上昇することがある(図2)。 |
| 3. |
挿し木後の貯蔵養分の消耗を軽減し生育を促進させるため、台木部腋芽のかき取りを挿し木後の5月下旬に行う(図3)。 |
| 4. |
挿し木活着後の肥培管理は、尿素等の窒素肥料1回施肥で苗木の生育が優れる(図4)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
台木部腋芽の新梢をかき取る際は、発根初期なので台木を動かさないよう注意する。
なお、腋芽のかき取りを挿し木前に行った場合でも5月下旬と同様に苗木の生育は良いが、作業労力を多く要する。 |
| 2. |
施肥は10a当たり窒素10Kg相当の肥料を、6月上旬、マルチをはぎ取るか、ナイフ等で大きな切れ目を入れてから散布する。 |
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