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平成14年度
画像解析によるわい性台りんご樹の栄養診断法
[要約]
デジタルカメラにより得られたわい性台りんご樹の樹体画像を、パソコンで解析し、枝葉の繁茂程度を数値化することにより、樹体の栄養診断が可能となる。
[キーワード]
りんご、栄養診断、画像解析
[担当]岩手県農業研究センター・生産環境部・土壌作物栄養研究室
[連絡先]電話0197-68-4423、電子メール
ytakahashi@pref.iwate.jp
[区分]東北農業・生産環境(土壌肥料)、東北農業・果樹
[分類]科学・参考
[背景・ねらい]
りんご樹の栄養状態を把握することは、適切な栽培管理を行う上で非常に重要である。より簡易に、かつ的確に樹体栄養を評価するため、樹体のごく一部を評価対象とした葉分析に代わり、より多くの樹体部分を評価対象とした画像解析による栄養診断手法を考案し、その有効性を確認した。[成果の内容・特徴]
1.
デジタルカメラにより得られたわい性台りんご樹の樹体画像を、パソコンで画像解析し、枝葉の繁茂程度を数値化した値(繁茂指数)は、果実収量(
図1
)、葉窒素吸収量(
図2
)、果実硬度(
図3
)、果実糖度(
図4
)等と相関がある。この画像解析の手法により、樹体の栄養状態を診断することができる。
2.
樹体の撮影・画像解析は以下の手順で行う。
(1)
色のスクリーンを背景とした樹体画像を、デジタルカメラで撮影する。画像は、主幹より2〜3メートル離れた位置より撮影する。撮影は8月上旬に行う。
(2)
影された画像の主幹を中心として、縦1.5m、横1m程度の部分を選択し解析領域とする。
(3)
像解析により、解析領域を、背景(青色部分)と樹体領域(背景以外の部分:りんごの枝葉の占める部分)とに分離する。
(4)
(3)で分離した樹体領域の全画素数を解析領域の全画素数で除し、繁茂指数を算出する。
[成果の活用面・留意点]
1.
本成果は、「ふじ」/JM7(6、7年生)、無袋葉とらず栽培において得られた結果である。
2.
葉窒素吸収量は、画像撮影時に採取した新梢中位葉の窒素濃度にその乾物重を乗じたものである。
3.
果実品質(果実糖度・硬度)の値は、収穫時のものである。
4.
本手法は、他の果樹の栄養診断への応用が期待される。
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:
りんごわい性樹の栄養診断法の確立
予算区分:
国・県
研究期間:
1997〜2002年
研究担当者:
高橋良学、中野亜弓、佐藤喬
発表論文等:
高橋良学(2002)特許出願(特願2002-315247)