| [背景・ねらい] |
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農研機構果樹研究所で育成され、1998年に農林登録された「あきづき」は果実品質、貯蔵性等に優れており、2000年より山形県の有望品種にあげられている。しかし、現場へ導入されてまだ数年しか経っておらず、栽培特性について明らかになっていない点が多いことから、本品種の生産性、および果実品質の向上に資するために、適正着果量を明らかにする。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
「あきづき」は、一果重500g程度を目標とした場合、仕上げ摘果の時点で10a当たり8000果程度に摘果することで、約4t前後の果実が収穫可能である。10a当たり9000果以上を着果させるには、軸折れによる落果の危険性が高い上向きの果実も利用せざるを得ない。また、10a当たり7000果程度の着果量の場合、2001年の調査で1平方メートル当たり1果程度の落果があったことから、年によっては落果による着果量の不足により収穫量が減少する恐れがある。(表1)。 |
| 2. |
10a当たり8000果程度に摘果した場合の着果基準は、花芽(腋花芽数+花芽のある短果枝数)3.0〜3.5芽に1果、葉果比で55程度である。この場合、連年着果による樹体への影響はあまりみられないが、10a当たり9000果以上を連年着果させると、葉数、新梢長の減少など樹勢の低下が起きる(表2、3)。 |
| 3. |
着果量が少ないほど、大玉果実の比率が高まる(図1)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
本成果は、棚仕立て栽培での結果である。 |
| 2. |
「あきづき」は大玉となるため、他品種より軸折れしやすい傾向にあるので、可能な限り上向き以外の果実を利用する。 |
| 3. |
「あきづき」は有てい果(収穫期までに「へた」が脱落せず、そのまま「へた」が付いている果実)が多いが、果実品質は通常果に劣らない。 |
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