| [背景・ねらい] |
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オウトウは、定植後、初結実をみるまで通常は4〜5年を要するため、結実年限の短縮と管理の集約のため、2〜3年の間苗木を育成し大苗として定植する事例がみられている。しかし、3年程度の育成では花芽の着生が少ないことや植え替え時の根傷みも大きく、定植後の生育確保や早期収量を得る上で問題も残されている。
そこで、花芽の早期着生と本畑定植時の植え傷みを軽減することを目的に、育成段階から根群を不織布ポットで制限した場合の効果と、定植後の生育を確保するための定植法について検討した。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
不織布ポットを利用した苗木育成は、樹高が低く、幹の肥大も抑えられ地上部の生育は抑制される。また、花芽の着生も促進される(表1)。 |
| 2. |
根の発生は、地植に比較し発生本数が多く、細根の割合が高い(表2、図1)。 |
| 3. |
定植は、根鉢を崩さずに不織布ポットを取り除くか、根鉢の外側をほぐして深植とならないよう土寄せし、春先にマルチを設置することで新梢の生育は促進され、発生する葉も大きくなり定植後の活着が促進される(表3)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
不織布ポットは、G社製の口径35cm、深さ33cmの円筒式ポット(容量約27リットル)で、側面が根の伸長抑制効果があり、底面は遮根性のある資材を供試した。ポットの用土は、畑土をそのまま用い無施肥とした。 |
| 2. |
不織布ポットに入れる用土には、固まりのない土を用い、根と土に隙間ができないようにする。腐植の少ない用土の場合は、堆肥等有機物を加える。 |
| 3. |
定植1年目の春は、マルチを設置して土壌水分を保つとともに、マルチ内の乾きに応じ随時潅水する。 |
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