| [背景・ねらい] |
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組織培養苗を用いたスターチス・シヌアータの秋〜春出し作型を確立するため、定植時期および抽だい茎の最終摘除時期を明らかにする。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
定植適期は9〜12月の切り花収量から、6月下旬〜7月上旬がよい(表1)。 |
| 2. |
良品生産のための株作りと収穫始期調節を目的に、生育初期の抽だい茎は基部から除去する。切り花長が長い良質のものを得るには、株張りは35cm程度必要であり、この頃が最終摘除時期である(表2、3)。また、収穫始期の調節では、8月1日最終摘除で8月31日から収穫が始まり、8月16日最終摘除で9月10日から収穫が始まる(表2)。 |
| 3. |
切り花収量は品種間差があるものの、9〜12月の収量は10本/株以上、1月〜5月の収量は20本/株以上見込める(表3)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
本研究を実施した場所よりも高温の地域では脱春化による減収が予想される。 |
| 2. |
抽だい茎の摘除は脱春化を助長するので、脱春化回避のため最終摘除時期まで、抽だい茎を株当たり1本程度残して摘除する。 |
| 3. |
収量の品種間差が大きく収益性を左右するので、品種導入の際は市場調査を充分行い品種構成割合を決定する。培養苗の苗購入予約は定植予定の8カ月前頃に行う必要がある。 |
| 4. |
越冬する場合、黄色系品種、桃系品種では灰色かび病による株の立ち枯れが発生しやすい。耕種的な防除として点滴チューブを使用し、過剰かん水を避ける。また、換気・通風を励行する。さらに、病害は切り花収穫した切り口や除葉した葉柄基部から侵入するので、発生前から定期的に防除を行う。 |
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