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地下水利用地中冷却によるアルスロトメリアの秋冬期増収

[要約]
地下水を利用した地中冷却を行い、アルストロメリアの増収効果を確認した。冷却管2本を用いた慣行の方法でも、アルストロメリアの秋冬期(9〜12月)の増収には有効であるが、冷却管を4本用い籾殻マルチングした改良型は、さらに増収効果が高い。
[キーワード]
  花き、アルストロメリア、地下水、地中冷却
[担当]山形砂丘地農試・野菜花き畑作研究
[連絡先]電話0234-91-1250電子メールsugawarakei@pref.yamagata.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
アルストロメリアを秋冬期(9〜12月)に増収するためには、夏期に冷却機を用い地中を冷水循環させるのが一般的である。低コスト化を図るため、地下水を通水する地中冷却を行い、増収効果を検証する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 各冷却方法での地温(管と管との間で深さ10cm位置)は、改良型<慣行型<
無冷却の順に低い(図1表1)。
また、改良型は地温の日変化も小さい(図2)。
2. 4品種を用い、1条植えし、定植後から10月中旬まで通水した場合の9〜12月期の収
量は次のとおりであった(表2)。
(1) 改良型の収量が最も高い。
(2) 四季咲き性が弱い‘チャーム’を除き、慣行型でも初年目は増収する。
(3) しかし、慣行型では、据え置きすると、増収効果が低い。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 地下水温・水量によって冷却効果(=増収効果)が異なる。
2. 改良型は厚く籾殻を敷いていることから、かん水同時施肥を行う必要がある。
3. 改植を嫌う‘アモール’を除き、慣行型で改植すれば増収効果があり、その場合、直管間隔を20cmにするのがよい(データ略)。
4. 試算では深さ5〜10m程度の浅井戸の場合、砂丘地農試方式は2万円/a、簡易方式は1万円/aの経費が必要であり、冷却機の7万円/aに比べ低コストである。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 栄養系アルストロメリアの栽培法の開発
予算区分: 県単
研究期間: 1998〜2001年度
研究担当者: 佐藤 裕則・菅原 敬