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種子低温処理したトルコギキョウ苗の定植適期

[要約]
種子低温処理したトルコギキョウ苗の定植適期は、本葉2対葉前後である。この時期に定植すると、品質が安定し、上位規格の割合が増加する。
[キーワード]
  トルコギキョウ、種子、低温処理、定植適期
[担当]福島農試・会津地域研究支場・野菜花き研
[連絡先]電話0242-82-4417、電子メールkobayashi_yuuichi_01@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
近年、トルコギキョウの種子低温処理は、高温によるロゼット回避をねらいとして普及しつつある。これまで、種子低温処理した苗の定植は、活着株率や抽だい株率が高くなることから本葉1〜1.5対葉程度の苗がよいとされてきた。しかし、この程度の苗は根鉢の形成が不十分で定植しにくく、切り花品質が不安定になりやすい。そこで、種子低温処理した苗の定植適期について検討する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 種子低温処理した苗の収穫期は、定植時の葉齢が本葉0.2〜2.1対葉の範囲では、葉齢が大きくなるほど早まる。また、定植時の葉齢が本葉2対葉前後の場合、収穫期は種子低温処理した苗は慣行の苗に比べ、同等からやや早まる(表1)。
2. 種子低温処理した苗の切り花品質は、定植時の葉齢が本葉0.2〜2.1対葉の範囲では、葉齢が大きくなるほど切り花長が長く、花蕾数も多いなど向上する傾向にある。また、定植時の葉齢が本葉2対葉前後の場合、切り花品質は種子低温処理した苗は慣行の苗に比べ、切り花長が長く、花蕾数も多いなど向上する傾向にあり、上位規格の割合が高まる(表12)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 種子低温処理した苗で、上位規格の割合が多くなり、生産の安定が図られる。
2. セル成型トレイは、288穴を使用する。
3. 種子低温処理は、セル成型トレイに充填した用土に充分吸水させて播種し、ポリエチレンフィルムで覆い播種直後から暗黒下10℃の冷蔵庫で35日間行う。
4. 低温処理期間中は、用土の湿潤状態を維持する。
5. 低温処理後ハウス内での育苗期間中は、最低気温15℃、最高気温25℃を目安に、加温や換気を行う。
6. 品種により種子低温処理の効果に、差がある。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: トルコギキョウ二度切り栽培技術の確立・一番花の10〜11月出し栽培
予算区分: 県単
研究期間: 2000〜2002年度
研究担当者: 小林祐一、菅野 清