| [背景・ねらい] |
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近年、トルコギキョウの種子低温処理は、高温によるロゼット回避をねらいとして普及しつつある。これまで、種子低温処理した苗の定植は、活着株率や抽だい株率が高くなることから本葉1〜1.5対葉程度の苗がよいとされてきた。しかし、この程度の苗は根鉢の形成が不十分で定植しにくく、切り花品質が不安定になりやすい。そこで、種子低温処理した苗の定植適期について検討する。 |
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| [成果の内容・特徴] |
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| 1. |
種子低温処理した苗の収穫期は、定植時の葉齢が本葉0.2〜2.1対葉の範囲では、葉齢が大きくなるほど早まる。また、定植時の葉齢が本葉2対葉前後の場合、収穫期は種子低温処理した苗は慣行の苗に比べ、同等からやや早まる(表1)。 |
| 2. |
種子低温処理した苗の切り花品質は、定植時の葉齢が本葉0.2〜2.1対葉の範囲では、葉齢が大きくなるほど切り花長が長く、花蕾数も多いなど向上する傾向にある。また、定植時の葉齢が本葉2対葉前後の場合、切り花品質は種子低温処理した苗は慣行の苗に比べ、切り花長が長く、花蕾数も多いなど向上する傾向にあり、上位規格の割合が高まる(表1、2)。 |
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| [成果の活用面・留意点] |
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| 1. |
種子低温処理した苗で、上位規格の割合が多くなり、生産の安定が図られる。 |
| 2. |
セル成型トレイは、288穴を使用する。 |
| 3. |
種子低温処理は、セル成型トレイに充填した用土に充分吸水させて播種し、ポリエチレンフィルムで覆い播種直後から暗黒下10℃の冷蔵庫で35日間行う。 |
| 4. |
低温処理期間中は、用土の湿潤状態を維持する。 |
| 5. |
低温処理後ハウス内での育苗期間中は、最低気温15℃、最高気温25℃を目安に、加温や換気を行う。 |
| 6. |
品種により種子低温処理の効果に、差がある。 |
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