研究所トップ研究成果情報平成14年度

中晩生リンドウ「ふくしまかれん」の無加温パイプハウスを利用した半促成栽培

[要約]
リンドウの福島県育成品種である中晩生種「ふくしまかれん」は、2月上旬から無加温パイプハウス、内張、ビニールトンネルの3重被覆により収穫期を1ヶ月以上早まり、彼岸前に出荷することができる。
[キーワード]
  リンドウ、半促成、開花前進、無加温パイプハウス
[担当]福島農試・会津支場・野菜花き研究室
[連絡先]電話0242-82-4417、電子メールkanno_kiyoshi_02@pref.fukushima.jp
[区分]東北農業・野菜花き(花き)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
リンドウの福島県育成品種である中晩生品種「ふくしまかれん」の開花期は、9月下旬以降になり、需要期の彼岸前に収穫できない。そこで、9月上旬までに収穫するため無加温パイプハウス内に内張とビニールトンネルの3重被覆により、開花期前進について検討する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 12月下旬もしくは2月上旬から被覆を開始して、無加温パイプハウスに内張り、ビニールトンネルの3重被覆を行う。露地と比較して、12月下旬から被覆すると収穫期が1ヶ月半程度早まり、2月上旬から被覆すると1ヶ月程度早まる(表1)。
2. 草丈はほとんどの茎で130cm以上となるので、ほとんどの茎を採花できる。収穫量は露地と差はない(表2)。
3. 花段数も露地区と比較して同等以上の段数である(表3)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 「ふくしまかれん」の収穫期が9月下旬以降になることが予想される地域で、9月中旬までの需要の多い彼岸前の収穫が可能となる。
2. 日中はビニールトンネルは開け、被覆内の温度が上がりすぎないように25℃になったら換気する等、温度管理に注意する。また、トンネルはビニールにリンドウの頂部が接触する程度まで生長した時点で除去し、ハウスと内張の被覆は最低気温が8℃程度になったら除去する。
3. 茎立ち本数は草丈30cm程度の時に1株当たり10本に整理する。
4. 「ふくしまかれん」では、定植2年目からの収穫が可能である。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: リンドウ促成栽培技術の確立・半促成栽培試験
予算区分: 県単
研究期間: 2000〜2005年度
研究担当者: 菅野 清、小林祐一、江川孝二
発表論文等: なし